F1 ホンダF1 レッドブル・レーシング
ホンダが今後もF1を継続していくためには、2019年からスタートするレッドブル・レーシングとのパートナーシップが重要なものとなる。

9年間でわずか1勝しかできずに2008年末に第3期のF1活動を終えていたホンダは、8年のブランクを経て2015年にマクラーレンの独占エンジンサプライヤーとしてF1に復帰。しかし、3年間でマクラーレンとのパートナーシップは崩壊し、トロロッソを新たなパートナーに迎えた今年も表彰台に到達することはできなかった。

しかし、トロロッソとのパートナーシップで着実に信頼性とパフォーマンスを向上させたホンダは、2019年に3強チームの一角であるレッドブル・レーシングもパートナーに迎え、レッドブル・ファミリーの2チームへとエンジン供給を拡大。そして、レッドブル・レーシングにとっても過去にダブルタイトル4連覇を達成したルノーとのパートナーシップを解消してホンダに乗り換えることは大きな賭けとなり、ホンダにとっては表彰台だけでなく、勝利、そして、チャンピオンシップを争うことが大命題となる。

今年9月、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、ホンダとのF1パートナーシップが成功しなければ、F1から撤退する可能性を示唆していた。

「今後数年、ホンダと素晴らしい協力関係を築いていけることを嬉しく思っている。何らかの理由で協力関係が期待通りに機能しなければ、レッドブルはF1を離れることになるだろう」とヘルムート・マルコはコメント。

そして、今週、ヘルムート・マルコは、ホンダとの2年間は最後の賭けであり、成功を収められない場合にはWECに転向する可能性を改めて示唆。ホンダとの契約期間が終了する2020年は、WECがハイパーカー規約を導入し、また2021年にはF1が大幅なレギュレーション変更を迎えることになる。

「我々は2020年まで合意している。エンジンレギュレーションやコンコルド協定がない限り、レッドブルもホンダも決断を下すことができない。だが、我々が過去のように再びカスタマーになるつもりがないのは確かだ。その際、我々は他にはぐらかされ、声明と約束が守られることはなかった」とヘルムート・マルコはコメント。

「止めることもも選択肢だ。もしくは他のこと、他のレースシリーズをやる可能性もある。ハイパーカー規則が導入されれば、ヴァルキリーでル・マンというのも選択肢になるだろう。我々はヴァルキリーを完成させた。それはセンセーショナルな成功だった。クルマはすぐに全台数が完売した。それはレッドブル・テクノロジーズにとってもう一本の優れた柱だ」

2017年にマクラーレンからパートナーシップを解消された際、ホンダはパワーユニットを供給するチームがなくF1を離れざるを得ない状況に陥った。そして、そのレッドブルがF1から撤退を決意した場合、ホンダは再びF1継続の危機に陥る可能性がある。

「マクラーレンとの惨事の後、ホンダは2017年末にF1から離れる目前だった。我々はホンダと集中的な会話をして、彼らが我々と仕事を再開できることを説得しなければならなかった」とヘルムート・マルコは振り返る。

「ホンダは、完全にコミットし、人材と技術リソースがあり、我々をナンバー1チームとしてみなしてくれるパートナーだ。来年、ホンダははるかに多くの努力を注いでくれるだろう。彼らにはさくらに他の誰も匹敵できない開発センターがある」

「我々はホンダに対してマクラーレンとは異なるアプローチをしている。彼らはエンジンの外観や発電セットの設置場所をほど決定していた。我々は純粋に彼らに最高のエンジンを構築するように言っており、それをなんとかシャシーに収容しようとしている。我々はすべてを一緒に話し合いながら進めている」

ホンダは、2017年にF1パワーユニットを一新。結果的にその初期の信頼性不足がマクラーレンとのパートナーシップ解消へと導いた。だが、2018年はスペック3までパワーユニットを進化させ、2019年は同じコンセプトでの3年目となる。

「エンジン自体に関しては、信頼性とパフォーマンスを向上させることができました。スペック2とスペック3を導入し、段階的にパフォーマンスが改善していきました。そこは来年に向けて良い準備になりました」とホンダのモータースポーツ部長を務める山本雅史はコメント。

「シーズン序盤はいくつかトラブルに見舞われました。信頼性に問題や少し開発の遅れがありましたが、最終的にい信頼性とパフォーマンスの両方が改善されました。カナダにおけるレースペースが重要なポイントでした。我々は一定レベルの前進を果たせることを証明することができましたし、レッドブルから信頼を得ることができました」

「その後、我々はその環境の中で継続することができました。レッドブルもそれを見ていました。関係はかなり安定していると思いますし、我々はそれを信頼しています。来年を楽しみにしていますし、興奮しています。「来年に向けたプログラムをスケジュール通りに達成または完了させることができれば、レッドブルと良い関係を築き、良い結果を出せると思っています」

ホンダも2019年は“失敗の許されない”シーズンだと捉えており、山本雅史は、ライバルのレベルに匹敵するためにはホンダはまだ進歩しなければならないと語る。

「パフォーマンス面でまだまだトップと差があることは明らかですし、信頼性の部分でもまだ改善の余地があると思っています。来シーズンは2015年に我々がF1に復帰してから初めて2チームに供給することになります。もっと向上しなければなりませんし、失敗が許されないシーズンとなります。2月のプレシーズンテストに向けて、現在も各ファクトリーで関与する全員が懸命に開発を続けている状況です」と山本雅史はコメント。

「我々はトロロッソとの2年目、そして、レッドブル・レーシングとの初年度に向けて準備を進めていますし、さらなる高みを目指して戦いを続けていきます」

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル・レーシング