F1 ホンダF1 トロロッソ・ホンダ ピエール・ガスリー ブレンドン・ハートレー
ホンダF1が次戦カナダGPで投入するとされるF1パワーユニットへのパフォーマンスアップグレードに大きな期待とプレッシャーが圧し掛かっている。

トロロッソと“再建の一年”を戦っているホンダF1は、2018年型F1エンジン『Honda RA618H』では昨年と同じコンセプトを維持して、進化版させることを決断。より細かなディテールに集中し、相関ツールのクオリティを進歩させることに焦点を当てた。

そのため、基本的には昨年マクラーレンに搭載されたF1パワーユニットで戦っているトロロッソ・ホンダだが、信頼性は大きく改善され、開幕6戦で3度のポイントフィニッシュを果たし、コンストラクターズ選手権でハースと同ポイントの7位につけている。

今季、ペナルティを受けずに使用できるエンジンは3基までとなっており、21戦のカレンダーの77戦目にあたるF1カナダGPが論理的にアップグレード投入には最適なタイミングとなる。

ホンダF1は、アップグレード投入のタイミングは明言いていないものの、バルセロナで開催されてインシーズンテストで新スペックのパワーユニットのためのアイデアを試し、“遠くない先に新しいスペックを導入する予定”だと語っている。

トロロッソは新しいフロアを含めたシャシー側のアップグレードが成果を挙げており、パワーユニットの性能差が大きく出ないモナコではでは中団で優れたパフォーマンスを発揮した。反面、ホンダのF1パワーユニットの性能がもろにでるロングストレートを有するサーキットでトロロッソ・ホンダが苦戦を強いられているのも事実だ。

トロロッソ・ホンダのドライバーを務めるピエール・ガスリーとブレンドン・ハートレーは、ホンダF1の最初のエンジンアップグレードに大きな期待を寄せている。

ピエール・ガスリーは「コンピュータ上で正確にどのような違いが出るかわかるまで待つつもりだ」とコメント。

「僕がF1で学んだのは、新しいパーツを搭載するまで様子を見た方がいいということだ。期待していたほどうまく機能しないときもあるからね」

「でも、僕たちは正しい方向に進むだけだと思っている。実際、今回のアップグレードには本当に興奮している。今週末は良いステップを果たしたと思うしね」

「モナコは特別なトラックだけど、今後のレースでもあのペースを継続できることを願っている」

ブレンドン・ハートレーも、ホンダのF1エンジンアップグレードがどれくらいの前進を果たすかはわからないものの、その効果に期待していると語る。

「正確な数値はわからないし、そこはホンダやトロロッソに聞いた方がいいと思う。でも、かなり大きな前進になると思っている」とブレンドン・ハートレーはコメント。

「モントリオールにむけてかなりポジティブに感じている。エンジンアップグレードが入るし、ここでは新しいフロアも投入されていた。僕たちはクルマにパフォーマンスを加えている。チームは本当にクルマのポテンシャルを解放し始めていると思う」

今回のF1パワーユニットのアップグレードに進歩は、トロロッソ・ホンダの今後のパフォーマンスだけに留まらない意味がある。

2019年以降にホンダとルノーのどちらのF1パワーユニットを搭載するかを検討しているレッドブル・レーシングは、同じくアップグレードを投入するルノーとホンダの比較して将来のサプライヤーを決定したいとの意思を明確にしている。

「2週間後のモントリオールでエンジンパフォーマンスを比較することに大きな関心を寄せている」とレッドブル・レーシングのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーはコメント。

「(決定には)あと1か月くらいはかかるだろう。6月末、もしくは7月初旬だ。そこが我々が常に話してきたワイムフレームだ」

F1モナコGPでは、ホンダの首脳陣がレッドブル・レーシングのモーターホームを訪れていたことが目撃されている。ホンダ側もレッドブル・レーシングとパートナーシップを結ぶべきか、もしくはトロロッソとの単独ワークス契約を継続するべきか検討している。

本田技研工業のモータースポーツ部長を務める山本雅史は「我々は非常にポジティブです。トップチームのレッドブルと契約を結ぶことはホンダにとって本当に大きなことです」と語っている。

「それはエンジンメーカーの我々にある種のプレッシャーを与えます。レッドブルのサイズに我々が本当に対応できるのかなど、多くの側面を非常に良く考えていかなければなりません。我々はエンジンを供給することに責任を持たなければなりません」

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / ホンダF1 / トロロッソ