ホンダ F1
ホンダのF1プロジェクト総責任者を務める長谷川祐介は、ホンダがここまでの2017年シーズンに果たした進歩については“誇りに思う”べきではあるが、ライバルにここまで差をつけられていてはいけないと述べた。

マクラーレンは、オフシーズンにホンダがパフォーマンス面で大きな前進を果たすことを期待していたが、2月のプレシーズンテストでは、ホンダが今年導入した新型パワーユニッが、信頼性とパフォーマンスの両面で不足していることが判明した。

それ以外、ホンダは数々のアップグレードを導入。“スペック3”エンジンを導入して以降は、定期的に予選Q3に挑めるようになり、前半戦の締めくくりとなるF1ハンガリーGPで今季初のダブル入賞を成し遂げた。

ハンガロリンクは、パワーユニットのパフォーマンスがそれほど重視されないサーキットではあるが、その前のレースとなったシルバーストンで示した力強いパフォーマンスはホンダの進歩をハイライトするものとなった。

だが、長谷川祐介は、本来であれば、シーズン開幕時から現在のレベルにいるはずだったと RACER に語った。

「満足しているとは言い難いですね」と長谷川祐介はコメント。

「現在のパフォーマンスレベルは、シーズン開幕時に達成していなければならないものかもしれません。なので、私としては『少なくともバルセロナであるべきだったパフォーマンスのレベルを達成できた』と思っています」

「5ヶ月あまりかかったことになります。通常の技術開発の常識的な見地で考えれば、5ヶ月でそのレベルまでキャッチアップできたことは誇りに思わなければなりません。しかし、F1カレンダーに合わせて考えれば、遅すぎます。なので、半分は安堵していますが、半分はシーズン開幕時にこのレベルを達成できなかったことにかなり落胆しています」

F1カナダGPでホンダが約束していたアップグレードを導入できなかった際、マクラーレンはホンダのコミットメントには満足しているが、その能力に“深刻な懸念”を抱いており、出来る限り早くパワーユニットから物理的なパフォーマンスの進歩を確認する必要があると述べていた。

また、マクラーレンの経営陣がホンダとの関係解消を現実的なオプションとして検討していることを明言したのものその時だ。

最近の改善はマクラーレンとの関係を改善させる上で重要かと質問された長谷川祐介は「もちろんです。彼らは常に開発を求めていますからね」と述べた。

しかし、マクラーレンとホンダの将来については不確実なままとなっている。

それでも、長谷川祐介は、ホンダとしては保証を求める必要はないと感じており、両社は協力して緊密に作業を続けていると付け加えた。

「実際、我々は頻繁に話し合いをしていますし、まだ非常に強いコミュニケーションをとっています。なので、彼らと特別なミーティングを行う必要はありません」

マクラーレンは、すでにメルセデスとフェラーリに2018年のパワーユニット供給を拒否されており、残りの選択肢はホンダを継続するか、もしくはルノーに変更するかのどちらかとなっている。

一方、ザウバーへのパワーユニット供給が白紙となったホンダは、それに代わる第2の供給先としてトロ・ロッソと交渉を進めているとされている。

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / ホンダF1