ホンダ F1
ホンダのF1エンジンの惨状にマクラーレンだけでなく、ホンダの役員会の忍耐も尽きていると報じられている。

F1カナダGPでは、10位を走行して今シーズン初ポイント目前とみられた残り2周にフェルナンド・アロンソのエンジンがブロー。マクラーレン・ホンダは開幕7戦でノーポイントが続き、コンストラクターズ選手権で最下位に沈んでいる。

トラブル多発のホンダのF1エンジンには日本のファンも「世界中に恥をさらしている」とネット上で嘆いている。

F1カナダGPの週末、ホンダでは取締役会が開かれたとされているが、マクラーレンのレーシングディレクターを務めるエリック・ブーリエは「我々はそれについては話すことができない」とコメント。

「取締役会は頻繁に行われている。そして、それはF1に関することだけではない。だが、F1が取締役会の議題になると確信している。我々は本田技研工業と契約したのだからね」

この状況にホンダの取締役会も忍耐が尽きてきていると報じられている。

ホンダのF1プロジェクト総責任者を務める長谷川祐介は「もちろん、取締役会は現状に満足していません」と認める。「ですが、彼らは長期的にプロジェクトにコミットしています」

長谷川祐介は、2016年シーズン開幕直前に“定年退職”した新井康久の後任としてF1プロジェクト総責任者に就任した。

自身の更迭の可能性について質問された長谷川祐介は「我々は改善しようと取り組んでいます。私よりもうまくやれる人がいるもしれませんね」とコメント。「当面は自分のベストを尽くしていくだけです」

先週、マクラーレンは、ホンダの能力に“深刻な懸念”を抱いていると述べ、マクラーレンの経営陣がホンダとの関係解消を現実的なオプションとして検討していることを示唆。F1がシャットダウンに入る8月の夏休みに2018年以降について決断することを示唆している。

ホンダの代替エンジンの有力な候補として挙げられているのがメルセデスだ。

だが、メルセデスのモータースポーツ責任者を務めるトト・ヴォルフは「現時点でそのような噂や議論には加わりたくはない。ホンダに悪影響を及ぼしてしまうだろうからね」と Blick にコメントしている。

噂では、今シーズン終了を待たず、シーズン途中でホンダのエンジンを破棄する可能性も報じられている。

匿名のF1エンジン関係者は「最低3ヵ月あれば、どんなF1マシンにも新しいパワーユニットを搭載することは可能だ」と述べている。

シーズン途中のエンジン交換の可否は置いておいても、マクラーレンのホンダへの欲求不満が限界に近づいているのは明らかだ。

フェルナンド・アロンソはF1カナダGP後「他のクルマとのストレートでのスピード差はここでは危険なレベルだ」とコメント。

「他のクルマに抜かれるときは、まるで高速道路で立ち止まっているようなものだ」

エンジンが故障したフェルナンド・アロンソは、次戦F1アゼルバイジャンGPでグリッドペナルティを科せられることは避けられないと思われる。

「僕がここで失ったのはポイントだけではない。僕たちはまたエンジンを失った。アゼルバイジャンでは最後尾スタートになるだろうね」

F1カナダGPではアップグレードを持ち込めなかったホンダだが、次戦でアップグレードが入れば、アロンソにとって少しは救いになるかもしれない。

だが、長谷川祐介は「今はバクーに持ち込めることを期待していますが、約束はできません」と明言は避けた。

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カテゴリー: F1 / ホンダF1