ルイス・ハミルトンが苦言「若手を叩くのは実績のない年配の元F1ドライバー」
ルイス・ハミルトンが、現在のF1で存在感を増す若手ドライバーたちに強いエールを送った。フェラーリF1のスターはサンパウロGPの週末に取材陣へ語り、自身の経験を踏まえながら「今の若手は必要のない否定にさらされている」と警鐘を鳴らした。

ハミルトンが支持を寄せるのは、アンドレア・キミ・アントネッリ、ガブリエル・ボルトレト、オリバー・ベアマン、アイザック・ハジャー、リアム・ローソン、そしてフランコ・コラピントなど、次世代のF1を担う面々だ。彼らはすでに最高峰の舞台で実力を証明しつつあるが、ハミルトンは「環境は自分の時よりはるかに厳しい」と語った。

「若手は質問攻めにされ、SNSでも攻撃を受ける」
ハミルトンはまず、自身がデビューした2007年を振り返りながら、現在の若手が置かれている状況の厳しさを語った。

「若い才能が台頭してくるのを見るのは素晴らしい。自分も2007年にF1へ来た時はその一人だった。F1に来るまで、この世界に対して色んな先入観を持っていたが、実際に来てみると多くの場合、それは思い描いていたものとは違っていた」

さらに、現代の若手が直面する“追加の負荷”についても強調した。

「ドライビングは良くなるかもしれないが、その周りにはたくさんのことがある。プレッシャーは非常に大きいし、若手は質問攻めにされ、SNSでも多くのものを浴びせられている。でも、彼らは本当によくやっていると思う」

「実績のない元ドライバーほど否定的」
ハミルトンは、若手への否定的な言葉が目立つことにも不満を示した。特に、過去の実績が乏しい元ドライバーたちからの批判には首をかしげている。

「僕はずっと“ドライバーでいたい”と思ってきたし、ここ(F1)を去った後でも若手を支える存在でいたい」

「年配の人たちから多くのネガティブなことを耳にする。特に、あまり大したことを成し遂げていない元ドライバーたちからの意見が多い」

「若手が頭を下げて努力し、笑顔で、自分の好きなことをやりながら成功していく姿を見るのが大好きなんだ。彼らのキャリアがどう進んでいくのか、僕もあなたたちと同じくらい楽しみにしている」

ルイス・ハミルトン

コラピントを称賛「本当に素晴らしい青年だ」
その中でもハミルトンは、アルピーヌで2026年フル参戦が決まったフランコ・コラピントを特に評価した。

「彼は本当に素晴らしいよ。まず、とても優しい青年だ。バルセロナのテストかレースの後だったか、一緒に飛行機に乗ったんだけど、とても良い会話ができた。本当に心根の良い人間で、あれだけの重圧のなかで戦っているのは簡単じゃない」

「でも、彼は本当に素晴らしい仕事をしている。今のまま続けていけばいいと思う」

ハミルトンのメッセージは明確だ。F1は次の世代へと進んでおり、その歩みを後ろから引っ張るのではなく、押し上げるべきだ――たとえ、過去に大した結果を残せなかった“否定的な声”がどれだけあったとしても。

若手の未来を信じる姿勢こそ、7度のワールドチャンピオンであるハミルトンが示す“次の時代への責任”なのだ。

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カテゴリー: F1 / ルイス・ハミルトン / スクーデリア・フェラーリ