ルイス・ハミルトン F1サンパウロGP「何も持ち帰れず本当に打ちのめされた」

土曜予選では難しいコンディションのなかトップ10進出を逃し、13番グリッドからのスタートとなったハミルトン。チームメイトのシャルル・ルクレールが3番手につけていただけに、明暗が分かれる形となった。
決勝では好スタートを切ったものの、ターン1でフェルナンド・アロンソへのオーバーテイクを断念。その直後、カルロス・サインツJr.のマシンがリアに接触し、「リアが安定していない」と無線で報告した。
その後、フランコ・コラピント(アルピーヌ)と軽く接触してフロントウイングを損傷。チームはフロアにもダメージがあると判断し、38周にわたってなんとか走行を続けたが、最終的にリタイアを決断した。
「接触のあと、リアサスペンションが壊れたように感じたけど、チームからは問題ないと言われた」とハミルトンは説明した。
「でも、たぶんクロスウェイトの問題か何かで、ダウンフォースを30〜40ポイント失っていたと思う。高速コーナーではマシンが何度もスナップして、本当に大変だった。前のクルマたちについていくために全力を尽くしたよ」
マシンは全体的に不安定で、ハミルトンは無線でも「今にも事故を起こしそうだ」と訴えていた。結局、ルクレールもオスカー・ピアストリとキミ・アントネッリの接触に巻き込まれてリタイアとなり、フェラーリはダブルDNF。これでコンストラクターズ選手権ではメルセデスに36ポイント差をつけられ、レッドブルにも4ポイント差で抜かれる結果となった。
「本当に忘れたい週末だ」とハミルトンは振り返る。
「ブラジルは大好きだし、チームの全員も素晴らしい。みんな毎週全力を尽くしてくれているのに、何も持ち帰れないなんて。本当に打ちのめされた気分だ。チームに申し訳ない。予選であの位置にいたのは自分の責任だ。今はただ、もう一度立ち上がって前を向くしかない」

フェラーリの課題:耐久性と予選パフォーマンスの両立
フェラーリにとってインテルラゴスでのダブルDNFは大きな痛手となった。予選での不安定なパフォーマンスに加え、レース中の接触とマシン損傷が重なり、チーム全体の信頼性と競争力の両立が問われている。特にハミルトンは決勝中、リアの不安定さとダウンフォース不足を訴え続けており、マシン構造の脆弱さや空力的な耐性に課題が残る。
また、ルクレールが序盤で他車の接触に巻き込まれたことで、チームはポイント獲得の機会を完全に失った。残り3戦でコンストラクターズ2位の座を争うためには、両ドライバーがクリーンな週末を過ごし、予選・決勝の安定性を取り戻すことが不可欠だ。
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