ルイス・ハミルトン F1サンパウロGP予選Q2敗退「これで週末は終わり」
フェラーリのルイス・ハミルトンは、2025年F1サンパウロGPでスプリントを7位、予選を13番手で終えた。

午前のスプリントでは11番手スタートから鋭い蹴り出しを見せて入賞圏内へ浮上し、チームメイトのシャルル・ルクレールの直後まで迫る走りを披露。しかし午後の予選では一転してリヤグリップ不足に苦しみ、Q2で敗退した。

それでもハミルトンは、スプリントと予選の合間に行ったセットアップ変更の方向性には一定の手応えを感じていると明かし、「このサーキットなら何でも起こりうる」と決勝での巻き返しに意欲を見せた。また同日、バーレーンでWECタイトルを決めたフェラーリの耐久部門を称え、「素晴らしい成果だ」と祝福している。

スプリントは「いい一日」のスタート
この日の走り出しとなったスプリントでは、ターン1までの加速とオープニングラップのさばきで大きく順位を上げた。11番手から8番手までポジションを上げたことでポイント圏に食い込み、さらに前を走るルクレールとともにフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)を追う展開となった。

結局、アロンソを攻略したのはルクレールのみだったが、ハミルトンは内容に手応えを得た。

「今日もブラジルでいい形で一日を始められた。スプリントでは何台かをオーバーテイクしてポイントに戻ることができたし、それはポジティブだった」とハミルトンは語った。

予選ではリヤタイヤに悩まされQ2敗退
午後の予選では状況が一変した。フェラーリはスプリント後に、ストレートスピードと高速コーナーでの安定性を高めるためにセットアップを変更。ハミルトンも「ストレートとハイスピードでは助けになった」と一定の改善を認めつつも、リヤタイヤの温度管理に苦戦したことが最大の敗因だったと明かす。

「そのあとマシンにいくつか変更を入れて、ストレートと高速コーナーでは良くなった。でもQ2ではリヤタイヤを適正なウインドウに入れることができなくて、それに足を引っ張られてしまったんだ」と説明した。

実際、Q2ではペースを取り戻せず、13番手でセッションを終えたハミルトンは、インタビューで「これで週末は終わりだ」と述べ、悔しさを隠さなかった。

「このコースでは何が起きるかわからない」決勝での巻き返しに意欲
それでも、ハミルトンはインテルラゴスの“不確実さ”を知り尽くしている。スプリントでも複数のドライバーがコースオフし、赤旗が出るなど波乱の展開が続いたように、決勝でも状況次第では上位進出のチャンスがあると見ている。

「それでも、このコースではたくさんのことが起きる。今日すでに見たとおりだ。だから僕たちは全力を尽くすし、明日はできるだけ強いレースをしてみせる」と語った。

WECタイトルのフェラーリを祝福「素晴らしい成果」
この日、フェラーリはWEC(世界耐久選手権)でコンストラクターズとドライバーズの両タイトルを獲得。ハミルトンはその成果を称え、F1チームと耐久チームの一体感を強調した。

「最後の耐久レースでWECの両方のタイトルを決めた同僚たちにおめでとうと言いたい。関わった全員にふさわしい結果だよ」とコメントした。

ハミルトンは13番グリッドからのスタートとなるが、スプリントで見せた発進の良さとマシンの高速域での改善を武器に、決勝では上位ポイント圏内への浮上を狙う。

ルイス・ハミルトン スクーデリア・フェラーリ ブラジルグランプリ

ルクレールとの対照、専門家の分析
ハミルトンのQ2敗退とは対照的に、チームメイトのルクレールはQ3で渾身の一発を決めて3番手を確保。スカイF1のジェイミー・チャドウィックは「両方のフェラーリが苦戦していたのに、最後にシャルルがP3に入った。ルイスは混乱しているはず」と指摘した。

同じくカルン・チャンドックは「ルクレールはF1で最も優れた予選ドライバーだ」と評し、「もう一台(ルクレール)は3番手だ。それが全てを物語っている。ルイスは21戦目でこのマシンに慣れているはずで、彼自身も“なぜ差が出たのか”を考えているだろう」と分析した。

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カテゴリー: F1 / ルイス・ハミルトン / スクーデリア・フェラーリ