ハミルトン F1マイアミGP決勝の無線での発言を釈明「怒ってたわけじゃない」

予選では12番手に沈んだハミルトンは、決勝序盤をハードタイヤでスタート。中団での混戦の中、フェラーリのもう1台を駆るシャルル・ルクレールと同じ集団で順位を争っていたが、レース中盤に発動されたバーチャル・セーフティカー(VSC)を活用して戦略的に順位を挽回した。
その後はミディアムタイヤでペースを上げ、ルクレールとウィリアムズのカルロス・サインツに接近する。
「ティーブレイクでもしてるのか」 - 無線での苛立ち
ルクレールの後方に迫ったハミルトンは、自身の方が明らかに速いと考え、ポジション交代を要求。だがフェラーリはすぐには応じず、「ポジションキープ」を命じるのみだった。この判断の遅さに対し、ハミルトンは無線で「ティーブレイクでもしてるのか?」と皮肉を飛ばし、戦略対応の鈍さに苛立ちをにじませた。
レース後、ハミルトンはSky Sports F1に対し、「シャルルの後ろでかなりの時間を失った」としたうえで、「自分の方が速い局面で、もっと早く決断すれば違った展開になったはず」と語った。
「ポジションチェンジの判断が遅かった。それがなければ、もう少し上を狙えたかもしれない。」
そして、かつてのチームメイトとのやり取りを引き合いに出しながら、今回のチームの対応と比較した。
「2017年のハンガリー(GP)では、ボッタスと僕がポジションを入れ替えたことがあった。もし僕が前に出て追いつけなかったら、順位を戻すという約束でね。今回もああいう柔軟さがあれば良かった。結果としてはうまくいかなかったけど、あの時は信頼と機転があった。」
「怒ってたわけじゃない。情報が何もないわけでもなかった。ただ『早く決めようよ』っていう、それだけ。レース中は車をコントロールするだけでも精一杯なんだ。だから、判断はもっとスピーディであってほしいと思った。」

「闘志を持ち続ける限り、謝るつもりはない」
その後ルクレールを一時的に前に出たものの、再び順位を戻すよう指示された際には、ハミルトンは「じゃあ次はサインツにも譲れってか?」とさらに皮肉を述べた。
この発言についても、「少なくとも放送禁止用語は言ってないしね!」と冗談を交えつつ、「僕が無礼だったとか、そう書かれるのかもしれないけど、正直そんな気持ちはなかった」と語った。
「勝ちたいという強い思いがあったからこそ出たものだ。闘志を持ち続けることに謝るつもりはない」
「僕はいまだに勝ちたいし、その気持ちを失っていない。それを恥じる必要なんてない。チーム全体が同じ方向を向いていれば、また立て直せると信じてる。」
苦戦続くフェラーリ、サインツとの接触も 8位で完走
その後もポジションを守ろうと奮闘したハミルトンだったが、最終ラップではサインツが最終ヘアピンで強引に仕掛けてきて軽い接触が発生。結果としてハミルトンは8位でチェッカーを受けることとなった。
「ウィリアムズと争っていて、それでも勝ち切れない現実を見せられた。今のマシンにはまだ足りない部分が多い。でも、どこで遅れているかは把握しているし、中国以降その傾向ははっきりしている。改善すべき点は明確で、諦めるつもりはない。」
一方、チームメイトのルクレールも7位に終わり、優勝したオスカー・ピアストリからはおよそ1分差という厳しい結果となった。ルクレールも「この状況は良くない。もっと良くしなければならないし、できるだけ早く状況を変えたい」と語っている。
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