ルイス・ハミルトン フェラーリF1での不振の裏に“契約上の制約”の噂
7度のF1ワールドチャンピオン、ルイス・ハミルトンのメルセデスからフェラーリへの移籍をめぐって、ある契約上の条項が彼の現在の苦戦を説明する鍵になる可能性がある。

一部の関係者の間では、今シーズンのハミルトンのパフォーマンス低下が深刻であるとして、彼がシーズン途中での引退を発表する可能性すら指摘され始めている。

イタリアの有力F1技術ジャーナリスト、パオロ・フィリセッティ氏は『ガゼッタ・デロ・スポルト』紙で、ハミルトンの不調と同時に、チームメイトのシャルル・ルクレールがSF-25における自信とパフォーマンスを高めていると分析している。

「ルクレールのレース後のコメントは、彼がすでにSF-25を自動的に操れる段階に達し、マシンのポテンシャルを最大限に引き出していることを示していた」とフィリセッティ氏は記した。

一方で元F1ドライバーのラルフ・シューマッハ氏は、「ルイスは発言やボディランゲージからも絶望的で混乱しているように見える」と語っており、明暗がくっきり分かれている。

フィリセッティ氏は、フェラーリが現在「分岐点」に立たされているとし、今後はハミルトンの適応支援よりも、ルクレールを中心とした2025年マシン開発へと方針転換する可能性があると指摘する。

そんな中、『コリエレ・デロ・スポルト』紙は、ハミルトンのフェラーリ移籍契約に含まれる“ある条項”が、彼の苦戦に影響している可能性があると報じた。

「契約には、フェラーリ側がメルセデスの関係者と一切接触できないという条項が含まれており、ハミルトンは旧チームとのつながりを完全に絶たれている」と同紙は伝える。

このため、ハミルトンは新天地フェラーリで見知らぬエンジニアたちとだけ連携を取らざるを得ず、以前から信頼していた人物たちの支援を受けることができない状況にあるという。

ルイス・ハミルトン スクーデリア・フェラーリ F1

一方、かつてのチームメイトで現在はメルセデスのリザーブドライバーを務めるバルテリ・ボッタスも、「メルセデスで長年築いた関係を断ち、新たな文化の中で働くのは大きな変化だ」と、伊メディア『automoto.it』の取材に語っている。

自らも過去にメルセデスからフェラーリ系チーム(当時のアルファロメオ)に移籍した経験を持つボッタスは、技術面での違いについては「そこまで大きな差ではない」と説明。

「ドライブフィールの違いは多少あるが、最大の困難は基本的な部分。例えば、呼び方すら違うこともある。ただ、それを乗り越えれば対応は可能だ」と語った。

また、運転スタイルに関しても「ギアチェンジやエンジンブレーキの感覚などの違いは最小限で、すべて調整可能」とし、チームとの連携の方が重要だと強調した。

「最も難しいのは人との関係づくり。このスポーツは究極的には人間のパフォーマンス、つまりチームワークにかかっている。自分のベストを出し、それを引き出してくれる人々を理解することが求められる」と述べ、ハミルトンが直面する課題の核心に迫った。

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カテゴリー: F1 / ルイス・ハミルトン / スクーデリア・フェラーリ