ハースF1 小松礼雄「オリバー・ベアマンは将来フェラーリF1の一員になる」

その成長を最も間近で見守るハースF1チーム代表の小松礼雄は、「オリバーはフェラーリのドライバーであり、我々は彼を少なくとも2年間レンタルしている。彼が将来フェラーリの一員になるのは間違いない」と断言。ベアマンが“フェラーリの未来”であることを改めて強調した。
フェラーリの将来構想が動き出す
フェラーリの将来構想は今、複雑な転換期を迎えている。ジョージ・ラッセルの去就、ルイス・ハミルトンの契約問題、そしてオリバー・ベアマンの急成長──次世代の布陣を巡る動きが加速している。
シャルル・ルクレールは婚約を発表したが、またしても取りこぼしの多いシーズンとなり、チームの課題が浮き彫りになった。伊紙『Corriere della Sera』は、フェラーリがメルセデスのラッセルに関心を寄せていると報じ、マックス・フェルスタッペン獲得を目指すトト・ヴォルフとの関係がやや冷えているとも伝えた。
ラッセルは2026年までの1年契約延長を発表し、「トトは今でも僕のキャリアを気にかけてくれている。詳細は言えないが、この契約にはとても満足している」とコメントしている。関係者によれば、契約には2027年以降の移籍を視野に入れた柔軟な条項が含まれており、フェラーリの“世代交代計画”とタイミングが重なる可能性がある。
一方、ESPNはフェラーリがハミルトンとの長期契約には慎重な姿勢を示していると報道。フェラーリF1代表のフレデリック・バスールはメキシコGP後、「今季は非常に僅差の戦いが続いている。ポテンシャルを発揮できなければ順位をすぐ落とす。ルイスとチームには細部の調整に時間が必要だった」と語った。
ベアマンがもたらした“若返り”の象徴
そんな中で、フェラーリに明るい話題をもたらしているのがオリバー・ベアマンだ。フェラーリ・ドライバー・アカデミーの一員として、2025年と2026年はハースF1チームで実戦経験を積むベアマンは、メキシコGPでの4位入賞により一躍脚光を浴びた。
F1公式サイトは彼を「フェラーリの後継者」と称え、伊『La Gazzetta dello Sport』のルイジ・ペルナ記者も「フェラーリが将来に向けて彼に焦点を当てるのは自然な流れだ」と評価。
「Z世代がスーパースターたちの序列を覆す時代が始まっている」とも指摘している。
また、オーストリア紙『Osterreich』は「マラネロにおけるハミルトンの将来はすでに決まっている。終幕は近く、後任はすでに決定している」と報じた。スカイスポーツのマーティン・ブランドルも「フェラーリのシートが空いた瞬間、ベアマンがその座を得ると確信している」とコメントしている。
小松礼雄が語る“フェラーリへの道筋”
ハースF1チーム代表の小松礼雄も、ベアマンの将来に大きな確信を持っている。
「オリバーはフェラーリのドライバーであり、我々は彼を少なくとも2年間レンタルしている。彼が将来フェラーリの一員になるのは間違いない」と語り、その成熟した姿勢を高く評価した。
「ルーキーとして扱ったことは一度もない。フィードバックは素晴らしく、アプローチも見事。スピードも抜群だ。シンガポール以来、非常に安定した結果を残している」とも称賛している。

フェラーリ2027年の“新体制シナリオ”
ラッセル、ルクレール、そしてベアマン──フェラーリの未来を象徴する3人の名前が並び始めている。ハミルトンが2026年限りでチームを離れる可能性がある中、フェラーリは2027年に向けて「経験と若さの融合」を軸とした新体制を模索しているとみられる。
ラッセルが加入すれば即戦力の体制を構築でき、ベアマンが昇格すればチームは世代交代を加速させることになる。どちらの道を選んでも、フェラーリが「新時代」へと舵を切ることは間違いない。
小松礼雄の言葉が示すように、オリバー・ベアマンがその中心に立つ日は、すでに視界に入っている。
カテゴリー: F1 / ハースF1チーム / スクーデリア・フェラーリ / オリバー・ベアマン
