ハースF1チーム スクーデリア・フェラーリとの技術提携を2028年まで延長…トヨタとの交渉は継続
ハースF1チームは、スクーデリア・フェラーリとの長期にわたる技術提携の延長を発表。この新たな契約により、ハースF1チームは2028年F1シーズン終了まで、フェラーリのF1パワーユニットを継続して使用することになる。

2026年に新しいF1パワーユニットレギュレーションが導入される中、ハースF1チームとスクーデリア・フェラーリとの契約延長により、カンナポリスに本拠地を置く同チームは長期的に安定したエンジン供給を受けることができる。

ハースとフェラーリの関係は、2016年にハースF1チームがF1に参戦して以来、これまでに178回のグランプリを共に戦ってきた。2026年のパワーユニットレギュレーションでは、現在の1.6リッターV6ターボハイブリッド内燃エンジンが刷新され、ハイブリッドコンポーネントからより多くのパワーを引き出せるようになることで持続可能性が高まり、さらに強化されたパワーユニットは初めて完全に持続可能な燃料でも稼働できるようになる。

「スクーデリア・フェラーリとの関係を2028年まで延長できることを嬉しく思います」とハースF1チームのチーム代表、小松礼雄はコメントした。

「組織として、私たちはこれまでフェラーリのパワーユニットのみでレースを行ってきましたが、次のパワーユニットレギュレーションに移行してもその安定性が継続することは、私たちの継続的な開発にとって重要な要素です」

「スクーデリア・フェラーリとの関係は、私たちにとって常に特別なものでした。彼らは初期の段階におけるプログラム立ち上げに多大な貢献をしてくれ、過去9シーズンを通じて、貴重な技術パートナーであり続けてくれました。今後、さらに多くのシーズンを共にできることを嬉しく思います」

「また、スクーデリア・フェラーリのフレデリック・バスールをはじめとする多くの方々に、私たちのプロジェクトに信頼を寄せていただき、感謝申し上げます。この発表は、マネーグラム・ハースF1チームの長期的な野望の新たな一例です。このスポーツへの投資と成長は今後も続きます」

トヨタとハースの協議は進行中?
フェラーリとの契約は、ハースがトヨタとの提携を間近に控えているのではないかという最近の憶測を受けて発表された。報道では、タイトルスポンサー契約やエンジンプログラム、ケルン風洞の利用などが含まれる可能性もあるとまで報じられた。しかし、これらのシナリオはいずれも的外れだと考えられている。

ハースはコメントを控えているが、フェラーリが現在提供しているもの以外の将来的な協力体制について、ハースと日本のメーカーの間で話し合いが行われていることが分かっている。
現時点ではまだ話し合いの段階だが、トヨタの人材がハースのF1プロジェクトを支援する可能性や、ハースがダラーラと現在結んでいる関係と並行して車を製造する可能性、あるいはその他の技術提携の可能性などが話題に上っているようだ。

トヨタが注目度の高い契約でF1に本格復帰することは考えにくい。しかし、ハースとの提携の可能性をF1の最新動向を把握する材料として活用することはあり得る。

昨年、トヨタは、同社のファクトリードライバーである平川亮がリザーブドライバーに任命されたことを受け、マクラーレンと意見交換を開始した。

この契約は、トヨタがマクラーレンと協力できるさらなる機会があるかどうかを探るための取り組みの始まりと捉えられていた。

マクラーレンのチーム代表アンドレア・ステラは「我々は、パフォーマンスへの取り組み方、ドライバー育成への取り組み方について意見交換することにも興味がある。我々は視野を少し広げたいと思っている」

しかし、F1復帰に向けた第一歩として平川選手の契約が話題になったことについて、トヨタ・ガズー・レーシングのアドバイザーを務める中嶋一貴氏は否定している。

「今のところ、答えはノーです。この契約は、純粋にドライバーに焦点を当て、ドライバーの夢をサポートするものです」と中嶋一貴は語った。

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カテゴリー: F1 / ハースF1チーム / スクーデリア・フェラーリ