サウバー 13年ぶり表彰台で加速するアウディF1プロジェクト
ジョナサン・ウィートリーは、サウバーが13年ぶりにF1表彰台を獲得した勢いを、2026年から始まるアウディF1プロジェクトに繋げていきたいと語った。

2024年4月にレッドブルを離れてサウバーのチーム代表に就任したウィートリーは、短期間のうちにチームの競争力向上を指揮。オーストリアGPではガブリエル・ボルトレトが8位に入りF1初ポイントを獲得、さらにイギリスGPではニコ・ヒュルケンベルグが239戦目で初のF1表彰台を獲得し、サウバーにとっては2012年以来となる3位フィニッシュという快挙を達成した。

ウィートリーは英オートスポーツ誌の取材に対し、サウバーの成長についてこう語っている。

「正直、私が大したことを成し遂げたとは思っていない。スイスへの引っ越しがうまくいったくらいだ」

「だが、チームと働けるのは本当に素晴らしい経験だ。明らかにマッテオ(ビノットCOO)が私の到着前から多くの準備をしてくれていて、すでに物事は動き始めていた」

「私自身はチームの中に入り込んで、その仕組みを理解しながら、所々で少しずつ指針を示すようにしてきた。そしてシルバーストンでピットウォールに座ったとき、本当にすべてがひとつにまとまってきたと感じた」

「私の初レースは4月の日本GPだった。それから13週間で10レースをこなしている。最初のアップグレードを投入した段階から、ドライバーたちの自信が目に見えて高まった。マシンをプッシュできるようになり、連続で予選ラップを組み立てられるようになって、我々の持っているアドバンテージを最大限に活かせるようになった」

「私が来る前から多くの作業が進んでいたし、それを自分の手柄にするつもりはない。これは大きなチームの成果だ。設備面の改善に加え、クルーの自信を育てる取り組みもあった。ピットストップのような要素は、チームスピリットの表れでもある。リラックスしながら確実な作業ができているチームは、いい状態にあるということだ」

ザウバー F1 アウディ

2026年にはF1史上最大級のレギュレーション変更が控えており、アウディの正式参入とともにサウバーは新たなチャプターへと突入する。ウィートリーは、その挑戦こそが自分をレッドブルから動かした理由だったと明かす。

「ちょうど1年前の今日くらいだったと思う。ここグッドウッドからサウサンプトン空港へ向かって、アウディとの面談に向かった。あの瞬間から、このプロジェクトに惹きつけられ続けている」

「私はアウディ・クワトロが森の中を走り抜けて、マフラーから火を噴く姿を見て育った。アウディはいつも独自のアプローチを貫いていたし、今こうしてその旅路の一部になれるのは本当に特別なことだ。これは今のF1にとって最も素晴らしいニュースのひとつであり、ファン全員がワクワクすべき出来事だと思っている」

とはいえ、伝統的な強豪チームに挑むのは容易ではないことも理解している。

「我々はこの挑戦に対して謙虚に臨む必要がある。既存のトップチームと同じレベルに到達するのは簡単なことではないし、それを突き破るには大きな勢いが必要だ」

「だが私は、我々がそのレベルに到達できると確信している。すでに我々はその道を歩み始めているし、ウェットコンディションなどではチャンスを掴めるようになっている」

「もうすぐ、私のシャツには4つのリング(アウディのロゴ)がつくことになる。それはF1で最も幸せなチーム代表の証になるだろう」

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カテゴリー: F1 / ザウバーF1チーム / アウディ