ハースF1チーム ウラルカリに契約解消後のスポンサー料返金で決着?
ハースF1チームは、今週スイスで下された仲裁裁定を受けて、元タイトルスポンサーのウラルカリの主張に対して断固たる反論を行った。

ハースF1チームは2021年のF1シーズン開幕前にウラルカリとタイトルパートナー契約を結んだ。1年後、チームはロシアのウクライナ侵攻を受けて契約を解除し、当時のドライバーであるニキータ・マゼピンとの契約も終了した。

世界有数のカリウム生産者の一つであるウラルカリは、以前はウラジーミル・プーチン大統領と密接な関係を持つロシアの新興財閥、ドミトリー・マゼピンが経営していた。

ウラルカリはハースF1チームに対し、前払いしたスポンサー料1,300万ドル(約20億円)の返還を要求した。これに対しハースF1チームは、評判の失墜を理由に860万ドル(13億7000万円)の賠償金を要求した。

長引く法廷闘争の末、スイス仲裁センター(SAC)は今週、判決を下した。ウラルカリは「仲裁裁判所は、ハースが契約違反を犯したと認定した」と声明を発表し、勝利を主張した。

さらに、ハースF1チームは「ウルカリ社に補償金を支払う義務がある」とも述べている。また、「仲裁裁判所は、同社に対するチームの反訴をすべて却下した」とも付け加え、ウルカリは現在、「ハースが判決に基づく義務を遅滞なく履行する」と期待している。

一方、ハースF1チームは、対応を検討した結果、SACがチームの契約違反を発見したわけでも、賠償金の支払いを命じられたわけでもないことを明確に述べた。

その代わり、SACはハースに対し、スポンサー料のうち契約が合法的に解除された後の期間に対応する部分の返還を命じた。

ハースF1チームは「仲裁パネルは、ハースがウラルカリとのスポンサー契約を終了させる『正当な理由』があったと判断し、ウラルカリの契約違反の主張を否定した」と声明で述べた。

「ハースは、ロシア軍がウクライナに侵攻した直後の2022年3月4日にウラルカリとの契約を解除した。仲裁パネルは、ウラルカリとロシアの関係を含む当事者間の関係に関するすべての事実を考慮し、ハースが『そのような状況下でスポンサーシップ契約を継続することは期待できない』と判断し、『仲裁裁判所は、ハースがスポンサーシップ契約を解除する正当な理由があったと認める』と結論付けた」

「パネルは、ウクライナ侵攻直後に複数のスポーツ団体がロシア企業との関係を即座に断絶したことを強調し、ハースがロシアのネーミングスポンサー契約を継続する最後の非ロシアのスポーツチームになる可能性があると強調した」

「それゆえ、パネルは、スポンサーシップはハースの解約通知の日付をもって事実上終了したと裁定し、ハースに対し、解約までの期間に対応するスポンサーシップ料の部分を保持し、残額をウラルカリに返金するよう命じた」

だが、RacingNews365は、米国企業であるハースは、ロシアを拠点とする組織との金銭取引が許可されていないため、返金自体が困難を伴うと報じている。

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カテゴリー: F1 / ハースF1チーム / F1スポンサー