F1 ロマン・グロージャン スペイングランプリ P. ガスリー N. ヒュルケンベルグ
ロマン・グロージャンは、F1スペインGPのオープニングラップでニコ・ヒュルケンベルグとピエール・ガスリーを巻き込む事故を誘発した責任を問われ、次戦F1モナコGPで3グリッド降格ペナルティを科せられた。

ロマン・グロージャンは、オープニングラップのターン3でコントロールを失ってスピン。後続のニコ・ヒュルケンベルグとピエール・ガスリーを巻き込んで3台がリタイア。マシンと破片を回収するためにしばらくセーフティカーが導入された。

ロマン・グロージャンは、前を走っていたチームメイトのケビン・マグヌッセンが挙動を乱したことに対応してコントロールを失ったが、スピンを喫した後もスロットルを開けていたことで批判を受けている。

ロマン・グロージャンは「やれることはあまりなかった」と Sky Sport にコメント。

「ブレーキを踏んでいても、同じようにクルマはスライドしていだろう。スピンに対してスロットルを開けたままにして、誰にもぶつからないようにしようとした。それは人間のかなり普通の反応だ。クルマがその方向に進んだあとはとても難しかった」

だが、ロマン・グロージャンがスピンした後もアクセルを踏み続けていたことについて質問されたニコ・ヒュルケンベルグは「あのシナリオでの彼の行動はあまりいただけないね。一般的に彼は週末の間に何度もスピンしているけど、全員がいる1周目はそれをするのに好ましいタイミングではない」とコメント。

「ターン1とターン2はマシンが至るところにいてかなり混乱していた。ターン3では他のマシンに視界を遮られていてほとんど何も見えなかったし、最後の瞬間はスモークと僕の方に向かって突進してくるマシンが見えた。右に動いて避けようとしたけど、向こうのスピードが速すぎて、左リアのコーナーが全部持っていかれてしまった。それでおしまいだ」

「リプレイ映像を確認したけど、あの状況では僕にできることは何もなかった。ロマンは単独スピンだったし、バレエダンサーのように回転しながら、他に2人を巻き込んだ。本当にフラストレーションを感じている」

ピエール・ガスリーも、ロマン・グロージャンが“ブレーキを踏んでいたら、違った結末になっていたかもしれない”と同意し、恐ろしい事故だったと述べた。

「完全に横になっていたし、スモークであまり見えなかった。衝撃の直前に彼が完全にストップしているのが見えたけど、どこにも行き場はなかった。ステアリングを話したけど、衝撃はかなり大きかった」

事故後、スチュワードに聴取されたロマン・グロージャンは、他のマシンを回避するためにスロットルを開け続けたと説明したが、最終的にその行為が原因で次戦F1モナコGPでの3グリッド降格ペナルティを科せられることになった。

スチュワードは「当該ドライバーは、他車を回避するためにコースを横切ることが最良の選択肢だと考えて決断したとスチュワードに説明した。当該ドライバーが他の選択肢を選んだ場合にマシンがどこで止まることになったかを考えるのは推測でしかないが、スチュワードは後続の集団が迫る前でコースを横切ることを彼が選んだことで接触が発生したと判断した」

「加えて、映像を見直したところ、スチュワードは彼が横断を決断した際にマシンがコース左側のラインに沿っており、ほぼ完全にコース外に出ていたことも確認した。したがって、スチュワードは当該ドライバーを処分することを決定した」

ロマン・グロージャンの裁定は、ハースF1のチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーがメディアの質疑応答に参加している際に伝えられた。

ギュンター・シュイナーは「疲労している人の顔を蹴るようなものだ」と裁定についてコメント。ロマン・グロージャンは、オーバーテイクを失敗して他の2台に接触したわけでなく、彼のマシンが難しいポジションにあったことが原因だと指摘した。

「彼には行き場がなかったし、『そこに留まっているか、通過するかを決断しなければならなかった』と言っていた。彼は通過することを選び、2人をノックアウトした。もし、その場に留まり続けていら、5台を巻き込んだかもしれない。わからないがね。あの位置は決して良い位置ではなかった。集団の真ん中だった」

「私の見解では、スタート時のインシデントであり、その後に何をしようとも間違っているということになる。コースに戻りかけて、しかも、集団の真ん中になってしまえば、何とかして抜け出そうとするものだ。彼が真ん中に留まり続けて5台を道連れにしていたかどうかはわからない。彼らはそうなっていた方がよかったというのだろうか?」

「よくあることのひとつだと思う。スタートで何かをやったわけではなく、ブレーキを遅らせたわけでも、誰かに突っ込んだわけでもない。彼のマシンがスピンを喫しただけだ。確かに、コースの中央にいるタイミングで加速するのは良くないことのように見えるだろうが、ほんの一瞬で判断を下さなければならず、彼は走り抜ける決断を下した」

「巻き添えを食らった人たちには申し訳なく思っているが、彼らを道連れにしようとオーバーテイクを仕掛けたわけではないし、何かに向かってハンドルを切ったわけでもない。現時点で、彼の評判は最高というわけではないし、やるべきことでないことをすれば、容易にターゲットにされてしまうのかもしれない」

ロマン・グロージャンは3グリッド降格グリッドペナルティに加え、2点のペナルティポイントを科せられた。これでロマン・グロージャンのペナルティポイントはこれで5点に達しており、12点に達した場合には1戦の出場停止処分が科せられる。

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カテゴリー: F1 / ロマン・グロージャン / ハースF1チーム