ジョージ・ラッセル F1アブダビGP初日「予選はサプライズがあるかもしれない」
日没とともに涼しくなったヤス・マリーナ・サーキットで、メルセデスのジョージ・ラッセルはFP1の6番手からFP2で3番手へ順位を上げた。

しかしトップのランド・ノリスとは0.379秒差と開きが残り、マクラーレンが一歩リードしたまま初日を終えた。一方でベアマン(ハース)が4番手、ヒュルケンベルグとボルトレト(キック・ザウバー)が5・6番手に並ぶなど、中団勢が僅差で迫る混戦状態となった。

こうした状況を受け、ラッセルは「サプライズが起きるだろう」と予選の接戦を予想しつつ、メルセデスにはまだ改善すべきポイントがあると率直に認めている。

ラッセル:予選は“接戦”、ロングランに不満も
ラッセルはFP2後、マシンのフィーリングが良くなったとしながらも、依然として十分ではないと分析する。

「今夜は確かに良くなった。暗くなって気温が下がると、いつも走りやすく感じるんだ」

予選については、複数チームが絡む接戦になると見ている。

「予選は僕たち、レッドブル、フェラーリの争いになると思う。他にも予想外のチームがいる。ベアマンが上位にいたし、ヒュルケンベルグもそうだ。何かサプライズがあるかもしれない」

特に懸念していたのが、決勝を想定したロングランだ。

「正直言ってレースペースは良くなかった。今夜しっかり確認して改善しなければならない。C5タイヤはグリップが高くてミスも起きやすい。僕のラップは力強かったし、もうあまり残っていなかったと思う。でも3番手だ。まだ少しペースを見つける必要がある」

ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ) アブダビグランプリ

アントネッリ:FP1は好走、FP2は最終コーナーのミスで10番手
メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリは、非代表的なコンディションのFP1で4番手と上々の滑り出しを見せた。トップのノリスからわずか0.1秒強でまとめ、手応えを口にした。

しかしFP2では10番手。トップとの差は0.667秒まで広がったが、ラッセルとのギャップは0.3秒未満で、ミスがなければ順位はさらに上だった。

「最初のセッションは本当によかった。FP2は実力を示せたとは言えない。ソフトでの最後のラップはかなり良かったけど、最終コーナーでミスして大きくタイムを失った」

それでも方向性は悪くないと強調する。

「僕たちはしっかり戦えている。もちろんマクラーレンは一歩先にいるけど、ギャップはとても小さく、ミスがすぐ響く。ロングランはFP1よりFP2の方が良かった。セットアップをいろいろ試していて、方向性は良い。まだやるべきことは多いけどね」

ポイントは“夜の路面”とC5タイヤの扱い
決勝と同条件となる夜間の路面への最適化が、メルセデスの最重要課題だ。気温低下と高いグリップにより、C5タイヤは一発の速さを発揮する反面、スライドやオーバーシュートが起きやすいピーキーな挙動を示す。

ラッセルの指摘した「ミスしやすい」挙動は、アントネッリの最終コーナーでの失速にも直結しており、セットアップの微調整が大きなタイム差に繋がる状況だ。

さらに中団勢も接近しているため、わずかな失敗で3列目から5列目以降まで後退する可能性がある。メルセデスは予選に向けた一発の仕上げと、レースペース改善という二つの課題を短時間でクリアする必要に迫られている。

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カテゴリー: F1 / ジョージ・ラッセル / メルセデスF1 / F1アブダビGP