F1“ヨーヨー現象”を防止へ FIA技術責任者が2027年修正を説明

現在の2026年規則では、内燃エンジンと電動システムの出力比率をほぼ50対50とする構成が採用されたが、実戦では“ヨーヨー現象”とも呼ばれる不自然なエネルギーマネジメントが問題視されている。
“ヨーヨー現象”の背景にあるエネルギー不足
2026年F1マシンでは、ストレート途中でバッテリー残量が尽きるケースが発生し、ドライバーは次の周回へ向けてエネルギーを温存するためアクセルを戻さざるを得ない状況に追い込まれている。
その結果、ドライバー同士がストレートで一度接近し、その後に減速と回生を繰り返す“ヨーヨー”のような展開が生まれ、従来のF1とは異なるレーススタイルへの批判が噴出していた。
こうした問題を受け、FIAはマイアミGPから緊急的な調整を導入。さらに2027年以降に向けて、内燃エンジン出力を約50kW引き上げる一方で、電動出力を同程度削減する方向で各メーカーと原則合意に達している。
トンバジス「防御的な走りだけにはしたくない」
ニコラス・トンバジスは独『Auto Motor und Sport』に対し、今回の修正が“ハイブリッド放棄”ではないと強調した。
「当初のエネルギー配分では、特定条件下で非常に早い段階でバッテリーを使い切ってしまう可能性があると認識した」とトンバジスは説明した。
「2027年以降は内燃エンジンに少し余裕を持たせることで、エネルギーマネジメントをより安定したものにできる」
さらにトンバジスは、現在のF1で問題視されている“防御的なレース”を避けたい考えを示した。
「我々の目的はハイブリッドコンセプトを薄めることではない」
「しかし、システムが完全に防御的に機能するだけの状態ではなく、ドライバーがストレートで攻め続けられる状況を確保する必要がある」
「次の周回のためにエネルギーを残そうとして、ストレート途中でアクセルを戻さなければならないような状況は避けたい」
2026年への前倒しは見送り
一方で、こうした変更が2026年シーズン中に前倒し導入される可能性については否定した。
トンバジスは「2026年用の設計はすでに大部分が凍結されている」と説明している。
「2027年向けの調整によって、メーカーは十分な準備期間を得ながら、それぞれのコンセプトを最適化できる」
「これは急進的な改革ではなく、進化的な改良だ」
Photo:Alpine
カテゴリー: F1 / FIA(国際自動車連盟)
