フェラーリF1、メルセデス型PUを研究 2027年仕様エンジン開発に着手
2026年F1レギュレーション下でメルセデスのパワーユニットが序盤から存在感を示す中、フェラーリF1が次の一手として2027年仕様エンジンの開発に着手したと報じられている。焦点となっているのは、圧縮比の挙動に関するメルセデス型の技術的アプローチだ。

イタリアの有力コメンテーターによれば、フェラーリは短期的な対応ではなく、中長期的な視点でパワーユニットの再設計を進めているという。

FIAの解釈を踏まえつつ、動的圧縮比を実現する独自の解決策を模索する動きが浮かび上がっている。

2026年F1レギュレーションの導入を受け、メルセデスのパワーユニットはテスト初期から好調な走りを見せている。その背景として、ライバルチームの間では新たな圧縮アプローチの存在が噂されている。

ここ数週間、ピットレーンのエンジニアたちの間で議論されているのは、燃焼室上部のプレチャンバー点火プラグ付近から細い通路で接続された、約1立方センチメートルとされる極小の補助容積を用いる理論だ。この仕組みが、作動時の圧縮挙動に影響を与えている可能性があると考えられている。

同様の噂は、レッドブル・フォードのパワーユニットプロジェクトにも及んでいる。こうした概念が不正にあたるのかとオーストラリアのチャンネル9から問われたクリスチャン・ホーナーは、その見方を明確に否定した。

「それは大きな言い方だ」とホーナーは述べた。

「F1とは限界を押し広げるものだ。レギュレーションをどう解釈するかの勝負でもある。最も保守的なチームが、最前線に立つことは決してない。常に枠を押し広げなければならない」

スクーデリア・フェラーリ

一方で、イタリアの著名コメンテーターであるレオ・トゥリーニは、フェラーリがすでに次の段階を見据えた動きを始めていると指摘する。ただし、その照準は2026年ではなく、さらに先の2027年に定められているという。

トゥリーニは自身の「クオティディアーノ」コラムで、フェラーリエンジン部門責任者エンリコ・グアルティエリが、動的圧縮比の実現を狙った大幅な変更を盛り込んだ2027年仕様パワーユニットの開発を承認したと記している。

フェラーリは、FIAがニコラス・トンバジス率いるシングルシーター部門の判断として、メルセデスのコンセプトを完全に合法と見なしたと受け止めており、それを前提にマラネロ独自の解釈を追求しているという。

その中核となるのが、熱膨張係数の高い素材を用いた新設計のコンロッドだ。温度上昇によって生じる圧縮低下を相殺する狙いがあり、成功すればダイナモ上でのテスト開始は2026年半ばになる見通しとされている。実戦投入は、早くとも2027年以降になる可能性が高い。

トゥリーニが見積もる性能向上は、5〜10馬力程度だ。

2025年シーズンに苦戦を強いられたフェラーリだけに、現時点での見通しは依然として慎重だ。SF26に何を期待すべきかと問われた元フェラーリドライバーのイヴァン・カペッリは、笑いながらこう返した。

「次の質問は?」

しかし、さらに問い詰められると、口調はやや前向きに変わった。

「SF26には、かなり独創的なソリューションがいくつも採用されている」とカペッリは語る。

「新しいレギュレーションは、エンジニアに多様な道を許している。解釈は一つではない」

そして、こう締めくくった。

「フェラーリには競争力を持つ義務がある。トップ勢と肩を並べる存在になると期待している」

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カテゴリー: F1 / スクーデリア・フェラーリ