フェラーリが危機感 「2035年F1レギュレーション作りを今すぐ開始すべき」
フェラーリF1チーム代表のフレデリック・バスールは、F1が2035年に向けたレギュレーション作りを今すぐ開始すべきだとの考えを示した。

F1は2026年に、史上最も急進的とも言われる新たな技術レギュレーションを導入する。電動化の強化がその中心にあるが、この方向性にはパドック内外で一定の不満や温度差も生まれている。

その影響で“将来の世代”については、V10やV8など内燃機関のみ(ICE)復帰のアイデアまで議論が浮上したが、FIAは最終的に現行世代の規則を2030年末まで維持する方針を明確にした。

2035年のF1をどう定義するか――バスールの危機感
バスールは Bloomberg の取材に対し、車産業全体の変化スピードを踏まえると、F1も早急に先の時代を見据える必要があると語った。

「おそらく我々(F1)のチャレンジは、今の成功や露出のレベル、そして技術面をリードする立場を維持することにある」とバスールは語った。

「難しいのは、2035年のレギュレーションを決めるまでに、ある種の“慣性(時間の遅れ)”があることだ。
私はほとんど『今すぐ決め始めなければならない』と言っていいと思う。期限までは5年から10年あるが、2035年に自動車産業がどうなっているかを想像するのは簡単ではない。人々の変化は非常に速くなっており、それが大きなチャレンジだ」

スクーデリア・フェラーリ

車産業の急速な変化とF1の“役割”
バスールが警鐘を鳴らす背景には、自動車業界全体が電動化と環境技術で急激な転換期を迎えている現実がある。

その流れと「V10/V8復活論」のような情緒的な議論が噛み合わない中、F1は技術開発を主導する存在であり続けるための指針を示す必要がある――というのが彼の主張だ。

2035年は遠いようで、レギュレーション策定には長い時間が必要になる。

バスールの発言は、F1が“そのタイムリミットに既に足を踏み入れている”ことを明確に示している。

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カテゴリー: F1 / スクーデリア・フェラーリ