フェラーリ会長エルカーン、ホーナー招聘報道を否定「バスールを全面支持」

報道によると、エルカーン会長が来季に向けてレッドブル前代表ホーナーをフェラーリへ迎え入れる交渉を進めているとされた。しかし、チーム側は「事実無根」と主張。今週末のF1アメリカGPを前に、社内の結束を強調した。
エルカーンはワシントンD.C.で開催された全米イタリア系米国人財団(NIAF)のイベントで次のように語った。
「我々のチーム代表であるフレデリック・バスール、そしてオースティンで戦っているメカニック、エンジニア、ドライバーを含むスクーデリア・フェラーリの全スタッフに対して、全面的な信頼を表明したい。私たちが最も大切にすべき唯一の目標は、常にベストを尽くすことだ。チーム全員の協力によってこの集中を維持しなければならない」
この声明により、フェラーリ上層部が現体制を堅持する姿勢を明確にした形となった。
なお、フェラーリは2008年のコンストラクターズ選手権を最後にタイトルから遠ざかっており、ドライバーズタイトルに至ってはキミ・ライコネンの2007年が最後となっている。
ルイス・ハミルトンもホーナー移籍説を一蹴
フェラーリのエースドライバーであるルイス・ハミルトンも、ホーナー招聘の報道について「気を散らす話題だ」とコメント。「それが良い考えか」と問われると、「いや、そうは思わないし、その噂を相手にするつもりはない」ときっぱり否定した。
ハミルトンの発言からも、チーム内部が動揺していないことがうかがえる。
2025年の不振に苦しむフェラーリ、バスールの手腕に注目
2025年シーズンのフェラーリは、ここまでグランプリ優勝ゼロと厳しい戦いが続いている。レースペースの不安定さと戦略面の課題が指摘されており、チームは開発方針の再構築に取り組んでいる。
それでもバスールはシーズン中盤以降、アップデートの方向性を安定させ、ピット作業やチーム運営の効率を着実に改善してきた。エルカーンの「全面的な信頼」は、そのプロセスを後押しする明確なメッセージと言える。
フェラーリは、アメリカGPを皮切りに残り5戦で巻き返しを狙う。優勝こそ逃しているものの、シャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンが表彰台圏内で競い合う機会は増えており、バスール体制の成果が問われる終盤戦となる。
カテゴリー: F1 / スクーデリア・フェラーリ