フェラーリCEO バスールのF1チーム代表続投に明言避ける「まだ議論中」
フェラーリの苦戦が続く2025年F1シーズン、CEOのベネデット・ヴィーニャがチーム代表フレデリック・バスールの将来について明言を避けたことで、同氏の去就をめぐる憶測が再燃している。

フェラーリは今季、1勝も挙げられないままマクラーレンに大差をつけられており、タイトル争いから大きく後退。昨年は「チーム・パパイヤ」にとって最大のライバルだったが、現在はチャンピオンシップで完全に置き去りにされている。

ヴィーニャ「バスールの将来? まだ議論中」
注目を集めたのは、F1イギリスGP(シルバーストン)週末におけるヴィーニャの発言だった。Sky Italiaの取材に対し、フェラーリ内の結束を称える一方で、バスールの職位について明確な保証を避けた。

「ここに来てチームの団結を見るのは嬉しい。人こそが違いを生む存在だ。困難を経てチームは成長する。フェラーリには団結があるし、それを実感できる」と語った上で、バスールの去就に関してはこう付け加えた。

「彼はチーム代表だ。今は7月、我々は議論しているところだ。ついさっき一緒にランチを取ったところだよ…」

この発言は、解任を示唆するものではないものの、信任を明言するものでもなく、バスールが今季限りでチームを離れる可能性をめぐる憶測を再燃させる形となった。

スクーデリア・フェラーリ F1 フレデリック・バスール

バスールも言葉を濁す「特に付け加えることはない」
こうしたヴィーニャの発言を受けて、バスール自身にも反応が求められたが、その答えは実に控えめなものだった。

「ヴィーニャ氏との議論について、私から付け加えることは何もない」とだけ語り、詳細を語ることはなかった。

この無言の態度もまた、フェラーリの現状と合わせて、不安を助長する要素となっている。特に今季は、巨額の投資に加えて7度のワールドチャンピオンであるルイス・ハミルトンの加入という話題性もあったが、依然として表彰台すら遠い状況だ。

マクラーレン躍進、フェラーリは低迷続く
2024年においてフェラーリはコンストラクターズランキングでマクラーレンと僅差の2位争いを演じたが、2025年はまったく異なる様相だ。マクラーレンはここ2戦で連続の1-2フィニッシュを達成し、フェラーリとの差はすでに238ポイントにまで拡大している。

イギリスGPでもフェラーリは苦戦。シャルル・ルクレールはフォーメーションラップでスリックに賭けたものの後退し、終盤にカルロス・サインツJr.との接触もあり14位に終わった。

一方のハミルトンはやや健闘したものの、母国での久々の表彰台には届かず、ハースのニコ・ヒュルケンベルグの後塵を拝した。

今季ここまで未勝利、表彰台ゼロという結果は、2026年のレギュレーション変更を控えるマラネロにとっても看過できない問題であり、バスールの続投に対する信頼を揺るがせている。

トト・ヴォルフが「フェラーリは彼以上の人材を得られない」と擁護する中でも、フェラーリ内部では「議論」が続いている。バスールの将来は不透明なままだ。

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カテゴリー: F1 / スクーデリア・フェラーリ