フェラーリ クリスチャン・ホーナー招聘の可能性が再熱 レッドブルF1退任で
クリスチャン・ホーナーがレッドブルのチーム代表を退任したとの発表は、F1界に衝撃を与えた。ベルギーGP以降、ホーナーの姿はもうレッドブルのピットウォールにはない。そしてこのタイミングで再び浮上しているのが、フェラーリによるホーナー招聘の可能性だ。

コンストラクターズ選手権で2位につけるフェラーリだが、ここまで一度も優勝を挙げておらず、首位マクラーレンには238ポイント差と大きく引き離されている。

これにより、フェラーリ上層部がフレデリック・バスールの後任候補を探しているという報道が、カナダGP前からイタリアメディアを中心に広まりつつあった。

その中には、かねてから関心を寄せていたホーナーに再びアプローチをかけているとの憶測も含まれていた。しかしホーナー本人は、スペインGPでの報道陣の問いに対し、「他チームに関連付けられるのは光栄だが、自分の忠誠は100%レッドブルにある」と一蹴していた。

しかし今回、その忠誠の対象が消えたことで、状況は一変した。2005年からレッドブルの指揮を執り、計14のタイトル獲得に導いてきた実績を持つホーナーが、F1の舞台にとどまる道を模索するとすれば、フェラーリはその最有力候補になり得る。

実際、過去にもフェラーリはホーナーを獲得しようと何度も動いており、2022年末にはマッティア・ビノットの後任として招聘寸前だったとも伝えられている。当時、レッドブルのヘルムート・マルコは「ホーナーを引き留めるために一晩中説得した。それは我々にとって数百万ユーロの追加出費になった」と明かしている。

スクーデリア・フェラーリ F1 クリスチャン・ホーナー

もし今回フェラーリがホーナーの招聘に成功した場合、彼はどのようにチームを再建するのか。2023年にホーナーは「フェラーリ最大の問題は“国民的チーム”になっていることだ」と語っていた。

「レースチームとして再び機能させる必要がある。イタリアの象徴的な存在であるがゆえに、上層部に人が多すぎて、誰もが口を出せる状態になっている。外から見ていて、我々の強みは素早く意思決定し、それを貫くこと。間違っていたらすぐに修正する」

「フェラーリでは新聞メディアの影響力が大きすぎて、それがチーム内の判断にも影響してしまう。あそこで戦うことは非常に大きなプレッシャーがかかる」

レッドブルという強大な組織の中で20年にわたり権力を掌握し続けてきたホーナー。フェラーリという伝統と政治の渦巻くチームで、彼は再びその手腕を発揮できるのか。注目は集まるばかりだ。

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カテゴリー: F1 / スクーデリア・フェラーリ / レッドブル・レーシング