2019年のF1マシンは“への字”型フロントウイングがトレンド?
2019年のF1マシンは、“への字”型のフロントウイングが新たなトレンドになりそうだ。
2019年のF1世界選手権では、後続マシンへの乱気流を低減してオーバーテイクを促すために新しい空力レギュレーションを導入。フロントウイング、リアウイング、ブレーキダクト、バージボードといった重要な空力エリアに変更が加えられた。
フロントウイングは幅が1800mmから2000mmに拡大し、デザインを単純化。カスケード・フラップなどを禁止とし、エンドプレートを単純化することで最適なダウンフォースを得るためにフロントウイングから空気をタイヤの外側に流す“アウトウォッシュ”効果を抑え、乱気流の発生を抑えることで後続マシンが近づきやすくなることが狙いだ。
この変更により、ダウンフォースを得るために、気流をアンダーボディに導く“インウォッシュ”型にせざるを得ず、ダウンフォースと空力バランスに大きな変更を及ぼすことになると考えられている。
2019年F1マシンを公開したチームのうち、7チームは昨年までと同じようなエンドプレートに向かって上昇する形状のフラップを備えているが、フェラーリ、アルロメオ・レーシング、トロロッソ・ホンダの3チームは昨年とは異なる外側に向かって下降する“への字”型のフロントウイングを採用していることが明らかになっている。
アルファロメオ・レーシングのフロントウイングが最も大胆で、フラップがフロントタイヤの直前で終了してフロントタイヤがほぼ丸見えの形状を採用。フロントウイングの幅が広くなったことで、フロントタイヤにアウトウォッシュへと気流を導くためのカスケード・フラップの役割を持たせているようだ。元フェラーリのテクニカルディレクターのシモーネ・レスタの加入による個々のパーツのデザインの変化も興味深い。
トロロッソ・ホンダは、STR14発表時のプレスフォトでは昨年と類似した形状のものが装着されていたが、2月13日に実施したシェイクダウン時には異なるフロントウイングを搭載。アルファロメオほど大胆ではないが、アウトウォッシュ効果を狙っているのは間違いないだろう。
フェラーリは、プレスフォトの時点でへの字型のフロントウイングを公開。への字型に下降しているのに加え、正面から当たった空気をタイヤの外側に逃がすためにフラップが捻じれているのがわかる。例年であれば、プレシーズンテスト、さらには開幕戦まで手の内は隠すものだが、この形状が2019年の空力レギュレーションのもとで効果が立証されている表れかもしれない。
他の7チームもすでに同様のソリューションを準備して隠しているだけかもしれない。しかし、フロントウイングはマシン後方の空力に大きく影響を与えるため、付け替えるだけで済むというものではない。通常、大幅なアップグレードパッケージとして改良版が投入されることが多い。
すでにメルセデスやレッドブルは昨年レベルのダウンフォースに到達していると語っており、レースの質が改善されることに疑問を投げかけている。
への字型フロントウイングが2019年の空力レギュレーションで正解となるのか、それとも他の革新的なソリューションが隠されているのか。2月18日(月)から始まるプレシーズンテストに注目だ。
カテゴリー: F1 / F1マシン
2019年のF1世界選手権では、後続マシンへの乱気流を低減してオーバーテイクを促すために新しい空力レギュレーションを導入。フロントウイング、リアウイング、ブレーキダクト、バージボードといった重要な空力エリアに変更が加えられた。
フロントウイングは幅が1800mmから2000mmに拡大し、デザインを単純化。カスケード・フラップなどを禁止とし、エンドプレートを単純化することで最適なダウンフォースを得るためにフロントウイングから空気をタイヤの外側に流す“アウトウォッシュ”効果を抑え、乱気流の発生を抑えることで後続マシンが近づきやすくなることが狙いだ。
この変更により、ダウンフォースを得るために、気流をアンダーボディに導く“インウォッシュ”型にせざるを得ず、ダウンフォースと空力バランスに大きな変更を及ぼすことになると考えられている。
2019年F1マシンを公開したチームのうち、7チームは昨年までと同じようなエンドプレートに向かって上昇する形状のフラップを備えているが、フェラーリ、アルロメオ・レーシング、トロロッソ・ホンダの3チームは昨年とは異なる外側に向かって下降する“への字”型のフロントウイングを採用していることが明らかになっている。
アルファロメオ・レーシングのフロントウイングが最も大胆で、フラップがフロントタイヤの直前で終了してフロントタイヤがほぼ丸見えの形状を採用。フロントウイングの幅が広くなったことで、フロントタイヤにアウトウォッシュへと気流を導くためのカスケード・フラップの役割を持たせているようだ。元フェラーリのテクニカルディレクターのシモーネ・レスタの加入による個々のパーツのデザインの変化も興味深い。
トロロッソ・ホンダは、STR14発表時のプレスフォトでは昨年と類似した形状のものが装着されていたが、2月13日に実施したシェイクダウン時には異なるフロントウイングを搭載。アルファロメオほど大胆ではないが、アウトウォッシュ効果を狙っているのは間違いないだろう。
フェラーリは、プレスフォトの時点でへの字型のフロントウイングを公開。への字型に下降しているのに加え、正面から当たった空気をタイヤの外側に逃がすためにフラップが捻じれているのがわかる。例年であれば、プレシーズンテスト、さらには開幕戦まで手の内は隠すものだが、この形状が2019年の空力レギュレーションのもとで効果が立証されている表れかもしれない。
他の7チームもすでに同様のソリューションを準備して隠しているだけかもしれない。しかし、フロントウイングはマシン後方の空力に大きく影響を与えるため、付け替えるだけで済むというものではない。通常、大幅なアップグレードパッケージとして改良版が投入されることが多い。
すでにメルセデスやレッドブルは昨年レベルのダウンフォースに到達していると語っており、レースの質が改善されることに疑問を投げかけている。
への字型フロントウイングが2019年の空力レギュレーションで正解となるのか、それとも他の革新的なソリューションが隠されているのか。2月18日(月)から始まるプレシーズンテストに注目だ。
カテゴリー: F1 / F1マシン