F1 2018年のF1世界選手権 レギュレーション
2018年のF1世界選手権では、スポーティングレギュレーション(競技規則)にマイナーではあるが重要な意味を持つの変更が加えられる。

1シーズンあたり3基のエンジン
2018年はF1パワーユニットをさらに信頼性のあるものしてコストを削減することを目標に各ドライバーは昨年よりレース数が1戦多い21戦に拡大されるに関わらず、ドライバーあたりシーズンを通して3基のエンジンしか使用できなくなる。

昨年までは20戦で4基のエンジンと各パワーユニットコンポーネントの使用が許されていたが、2018年からはドライバーが年間に使用できるF1エンジン、ターボチャージャー、MGU-Hは3基までとなり、MGU-K、コントロールエレクトロニクス、エネルギーストアは年間2基しか使えなくなる。

そのためパフォーマンスと耐久性の間の境界線の線引きがこれまで以上に厳しいものになる。あまりに保守的にいけば、ペースを失うことになり、逆に積極的過ぎた場合は故障のリスクを高め、エンジンペナルティを科せられることになる。

また、シーズンかたりのエンジンが1基少なくなることは、パワーユニットにアップデートを加える機会も少なくなることを意味する。つまり、プレシーズンテストから2018年版パワーユニットがパフォーマンスを発揮し、信頼性トラブルでシーズンを通して計画した開発プログラムに影響を与えないことが重要になってくる。

グリッドペナルティの簡素化
ドライバーあたりのエンジン使用数が少なるなることにより、2018年はさらに多くのグリッド降格ペナルティが発生する可能性がある。昨年は合計で878のグリッド降格ペナルティが発生。そのうち740がパワーユニット交換、138がそれ以外(ギアボックス交換やインシデント)でのグリッド降格となった。

しかし、F1ファンはグリッド降格ペナルティによるスターティンググリッドの変更に混乱することはなくなるかもしれない。今後は15グリッド以上のグリッド降格ペナルティを科せられたドライバーは最後尾からスタートすることになる。複数のドライバーが該当する場合は、ペナルティが発生した順にグリッドの最後に配置される。

タイヤコンパウンドのレンジ拡大
2017年と同様にF1公式タイヤサプライヤーのピレリは各グランプリに5種類のなかから3つのドライコンパウンドを供給する。しかし、2018年は最も柔らかいコンパウンドとして『ハイパーソフト』、最も硬いコンパウンドとして『スーパーハード』が追加され、全7種類のドライコンパウンドに拡大。全タイヤコンパウンドは1段階柔らかくなる。つまり全てのタイヤが昨年よりも速いことになる。年末に行われたアブダビテストのデータによると1周あたり1秒のタイムアップが示唆されていた。

また、コンパウンドの追加に伴い、識別カラーも変更にある。最も硬いスーパーハードをオレンジにすることで、ハードタイヤは“アイスブルー”に変更となり、スーパーハード(オレンジ)、ハード(アイスブルー)、ミディアム(ホワイト)、ソフト(イエロー)、スーパーソフト(レッド)、ウルトラソフト(パープル)、ハイパーソフト(ピンク)というカラーリングとなる。

ピレリがサーキットでどのコンパウンドを選ぶかにもよるが、タイヤが柔らかくなることで、2018年は1ストップレースが減少し、ピットストップの回数が増えることで、エキサイティングなレースを生み出すと予想されている。

2018年 F1タイヤ

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カテゴリー: F1 / F1マシン