F1エンジン ワースト10
F1バルセロナテストにおけるホンダの新型F1エンジンの信頼性とパフォーマンス不足が話題をさらっているが、過去には失敗作と言える多くのF1エンジンが存在した。
ホンダの2017年F1エンジン『Honda RA617H』が今シーズン終了までにどのような結果をもたらすかは未知数だが、少なくとも2015年型『RA615H』は27ポイント、2016年型『RA616H』は76ポイントを獲得している。
そこで、これまでのF1史上での失敗作と言えるワースト10エンジンをF1i.com がまとめた。
10位:BRM P75 … 3リッター H16 (4戦、9ポイント、1勝)
1966年から導入された新レギュレーションに合わせ、ブリティッシュ・レーシング・モータースは水平8気筒を2段重ねしたF1史上でも類をみないレイアウトのエンジンを開発。馬力はあったが、壊れやすく、明らかな失敗作だった。同エンジンを搭載したロータスのジム・クラークがワトキンズグレンで開催されたF1アメリカGPで奇跡の一勝を挙げている。
9位:ハート 415T … 1.5リッター 4気筒 ターボ (63戦、28ポイント、3表彰台)
1980年代初頭は、ターボチャージャー技術は、ルノー、フェラーリ、BMWといった自動車メーカーが主導権を持って開発しており、プライベーターで開発を行ったのはブライアン・ハートのみだった。1981年、ハート415はF2エンジン用の2リッターエンジンを1.5リッターにスケールダウンしてターボチャージャを搭載。しかし、アルミブロックを採用した415Tはターボラグが多発。パワー不足と脆弱なエンジンだった。だが、その後改善し、1984年のF1モナコGPではアイルトン・セナが歴史的な勝利を挙げている。
8位:アルファロメオ 415T … 1.5リッター 4気筒 ターボ (0戦、0ポイント、0表彰台)
アルファロメオは1987年にリジェのエンジンサプライヤーとしてF1復帰を望んでいた。しかし、プレシーズンテストでルネ・アルヌーが「最低のエンジン」だと酷評。フィアットは契約を解除し、リジェはメガトロン直4ターボエンジンを確保した。
7位:ジャッド GV … 3.5リッター V10 (20戦、5ポイント、1表彰台)
1991年、ジャッド初のV10エンジン「ジャッドGV」を開発し、スクーデリア・イタリアにカスタマー供給した。J.J.レートがイモラで3位表彰台を獲得。エマニュエル・ピロがモナコで6位入賞を果たした。
6位:イルモア LH10 … 3.5リッター V10 (32戦、12ポイント、0表彰台)
最近までルノーのアドバイザーだったマリオ・イリエン率いるイルモア。メルセデスとの提携では成功を収めたが、それ以前は独自路線を進んでいた。1991年と1992年にレイトンハウス(マーチ)とティレルがポイントを獲得するまで長い道のりだった。エンジンの完成度は低く、レイトンハウスの撤退もあり、開発が進まなかった。
5位:ザクスピード 1500/4 … 1.5リッター ターボ (51戦、2ポイント、0表彰台)
1985年、ザクスピードはF1に参戦。シャシーとエンジンを内製した。自社製エンジンの1500/4は直列4気筒のターボエンジンは他のメーカーに比べてパワー不足だった。1989年にレギュレーションでターボエンジンが禁止されたため、ザクスピードはヤマハ製エンジンを搭載したが、翌年にF1から撤退した。
4位:ヤマハ OX88 … 3.7リッター V8 (2戦、0ポイント)
/ OX99 … 3.5リッター V12 (32戦、4ポイント)
1989年にヤマハはV8エンジンのOX88をザクスピードへ供給し、鈴木亜久里とともにF1に参入。当初の予定では。コスワースDFRのシリンダーブロックを使用した5バルブエンジンを開発・供給する予定だったが、コスワースとの折り合いがつかず急遽エンジンを製造することになった。エンジンは信頼性に欠け予備予選通過もままならず、一時撤退を余儀なくされた。1991年にOX99をブラバムへ供給して復活を果たし、後半戦に2度の入賞を記録。1992年にはジョーダンにOX99を供給するも最終戦でようやく1ポイントを獲得できただけだった。
3位:ポルジェ 3512 … 3.5リッター V12 (4戦、0ポイント、0表彰台)
V6エンジンを2基繋いだようなエンジンは、重量も2倍だったと言われ、戦闘力もなかった。1991年にフットワークに搭載されたが、4戦で1度も完走することなくポルシェはF1から撤退した。
2位:スバル 1235 … 3.5リッター 水平対向12気筒 (0戦、0ポイント、0表彰台)
モトーリ・モデルニの依頼でスバルは水平対向12気筒エンジンを開発。1989年にミナルディのマシンでテストされたが、ミナルディは難色を示したため、供給先をコローニへと変更。1990年にベルトラン・ガショーの1台体制で参戦したが、開幕から8戦続けて予備予選落ち。スバルはF1から撤退した。
1位:ライフ F35 … 3.5リッター W12(0戦、0ポイント、0表彰台)
フランコ・ロッキが設計したW12エンジン。1990年にライフ L190(ファースト L189)に搭載されたが、幅広のW12エンジンを搭載するために後部は大きく膨らんでいた。ゲイリー・ブラバムの1台体制でシーズンに臨んだライフは、開幕戦から予備予選落ち。2戦後にはブラバムがチームに見切りを付けて離脱。第3戦からは6年ぶりにF1復帰したブルーノ・ジャコメリがドライバーとなるが、予備予選落ちは続いた。第13戦からはジェットのエンジンが搭載されるが、予備予選通過はならず、第14戦終了後にライフはF1から撤退した。
カテゴリー: F1 / F1マシン
ホンダの2017年F1エンジン『Honda RA617H』が今シーズン終了までにどのような結果をもたらすかは未知数だが、少なくとも2015年型『RA615H』は27ポイント、2016年型『RA616H』は76ポイントを獲得している。
そこで、これまでのF1史上での失敗作と言えるワースト10エンジンをF1i.com がまとめた。
10位:BRM P75 … 3リッター H16 (4戦、9ポイント、1勝)
1966年から導入された新レギュレーションに合わせ、ブリティッシュ・レーシング・モータースは水平8気筒を2段重ねしたF1史上でも類をみないレイアウトのエンジンを開発。馬力はあったが、壊れやすく、明らかな失敗作だった。同エンジンを搭載したロータスのジム・クラークがワトキンズグレンで開催されたF1アメリカGPで奇跡の一勝を挙げている。
9位:ハート 415T … 1.5リッター 4気筒 ターボ (63戦、28ポイント、3表彰台)
1980年代初頭は、ターボチャージャー技術は、ルノー、フェラーリ、BMWといった自動車メーカーが主導権を持って開発しており、プライベーターで開発を行ったのはブライアン・ハートのみだった。1981年、ハート415はF2エンジン用の2リッターエンジンを1.5リッターにスケールダウンしてターボチャージャを搭載。しかし、アルミブロックを採用した415Tはターボラグが多発。パワー不足と脆弱なエンジンだった。だが、その後改善し、1984年のF1モナコGPではアイルトン・セナが歴史的な勝利を挙げている。
8位:アルファロメオ 415T … 1.5リッター 4気筒 ターボ (0戦、0ポイント、0表彰台)
アルファロメオは1987年にリジェのエンジンサプライヤーとしてF1復帰を望んでいた。しかし、プレシーズンテストでルネ・アルヌーが「最低のエンジン」だと酷評。フィアットは契約を解除し、リジェはメガトロン直4ターボエンジンを確保した。
7位:ジャッド GV … 3.5リッター V10 (20戦、5ポイント、1表彰台)
1991年、ジャッド初のV10エンジン「ジャッドGV」を開発し、スクーデリア・イタリアにカスタマー供給した。J.J.レートがイモラで3位表彰台を獲得。エマニュエル・ピロがモナコで6位入賞を果たした。
6位:イルモア LH10 … 3.5リッター V10 (32戦、12ポイント、0表彰台)
最近までルノーのアドバイザーだったマリオ・イリエン率いるイルモア。メルセデスとの提携では成功を収めたが、それ以前は独自路線を進んでいた。1991年と1992年にレイトンハウス(マーチ)とティレルがポイントを獲得するまで長い道のりだった。エンジンの完成度は低く、レイトンハウスの撤退もあり、開発が進まなかった。
5位:ザクスピード 1500/4 … 1.5リッター ターボ (51戦、2ポイント、0表彰台)
1985年、ザクスピードはF1に参戦。シャシーとエンジンを内製した。自社製エンジンの1500/4は直列4気筒のターボエンジンは他のメーカーに比べてパワー不足だった。1989年にレギュレーションでターボエンジンが禁止されたため、ザクスピードはヤマハ製エンジンを搭載したが、翌年にF1から撤退した。
4位:ヤマハ OX88 … 3.7リッター V8 (2戦、0ポイント)
/ OX99 … 3.5リッター V12 (32戦、4ポイント)
1989年にヤマハはV8エンジンのOX88をザクスピードへ供給し、鈴木亜久里とともにF1に参入。当初の予定では。コスワースDFRのシリンダーブロックを使用した5バルブエンジンを開発・供給する予定だったが、コスワースとの折り合いがつかず急遽エンジンを製造することになった。エンジンは信頼性に欠け予備予選通過もままならず、一時撤退を余儀なくされた。1991年にOX99をブラバムへ供給して復活を果たし、後半戦に2度の入賞を記録。1992年にはジョーダンにOX99を供給するも最終戦でようやく1ポイントを獲得できただけだった。
3位:ポルジェ 3512 … 3.5リッター V12 (4戦、0ポイント、0表彰台)
V6エンジンを2基繋いだようなエンジンは、重量も2倍だったと言われ、戦闘力もなかった。1991年にフットワークに搭載されたが、4戦で1度も完走することなくポルシェはF1から撤退した。
2位:スバル 1235 … 3.5リッター 水平対向12気筒 (0戦、0ポイント、0表彰台)
モトーリ・モデルニの依頼でスバルは水平対向12気筒エンジンを開発。1989年にミナルディのマシンでテストされたが、ミナルディは難色を示したため、供給先をコローニへと変更。1990年にベルトラン・ガショーの1台体制で参戦したが、開幕から8戦続けて予備予選落ち。スバルはF1から撤退した。
1位:ライフ F35 … 3.5リッター W12(0戦、0ポイント、0表彰台)
フランコ・ロッキが設計したW12エンジン。1990年にライフ L190(ファースト L189)に搭載されたが、幅広のW12エンジンを搭載するために後部は大きく膨らんでいた。ゲイリー・ブラバムの1台体制でシーズンに臨んだライフは、開幕戦から予備予選落ち。2戦後にはブラバムがチームに見切りを付けて離脱。第3戦からは6年ぶりにF1復帰したブルーノ・ジャコメリがドライバーとなるが、予備予選落ちは続いた。第13戦からはジェットのエンジンが搭載されるが、予備予選通過はならず、第14戦終了後にライフはF1から撤退した。
カテゴリー: F1 / F1マシン