F1公式ゲーム『F1 2020』:コードマスターズが解説する最新作の違い
F1公式レーシングゲームシリーズの最新作『F1 2020』がリリースされる。開発元のコードマスターズが新機能・新コース・新サーキットなどについて語った。

2020年7月10日に『F1 2020』がリリースされる。開発元のコードマスターズは素晴らしいクオリティを誇っていた『F1 2019』をさらに進化させており、いくつもの新機能・マシン・サーキット、そして今作がシリーズデビューになるアルファタウリ・ホンダを含む世界各地のF1チームが収録される。

また、今作は、F1史に残るドイツ人ドライバー、ミハエル・シューマッハへのトリビュートにもなっている。

今回、『F1 2020』のゲームディレクターを担当しているコードマスターズのリー・マザーが、最新モード『My Team / マイチーム』をはじめとする長寿シリーズ最新作に収録される数々の魅力的なコンテンツや特徴について語った。

まずは新モード『My Team』について教えてください。
『My Team』では、コードマスターズの『F1』シリーズで初めてプレイヤー作成チームがF1世界選手権に参加できるようになります。プレイヤーはチームを管理しながら、サーキットで結果を出していく必要があります。

実在するF1チームと同じで、プレイヤーはすべての部門を管理しながら、チームを運営していく必要があります。サーキットでのパフォーマンスに直接影響を与える部門からスポンサーの獲得やメディアとの契約を担当する部門、ドライバーとスタッフのトレーニングを管理する部門までのすべてを自分で管理していきます。

また、チームに成功をもたらすためには、ドライバーの移籍動向を積極的にチェックしたり、収益性の高いスポンサーを獲得したりすることにも意識を向ける必要があります。当然、マシンの研究開発やレース間のチームの管理も重要です。

『My Team』でのドライバーとチームボスのプレイバランスを教えてください。プレイヤーは2つのロールをどのようなバランスで楽しめるのでしょうか?
『My Team』は『F1』シリーズに完全に新しいゲーミングエクスペリエンスをもたらすことになります。プレイヤーはこれまでにはなかった形で世界選手権優勝までの道のりを楽しむことができます。

プレイヤーはサーキットで素晴らしいパフォーマンスを発揮する必要がありますが、同時にセカンドドライバーにも目を向けて成長を促していく必要も出てきますし、コンストラクターズチャンピオンも目指していきます。

このモードのプレイヤーはチームボスですので、“ドライバーのひとり” ではありません。チームメイトになるドライバーや、F1とF2の全ドライバーも見ていく必要があります。あとは、資金や費用についても考える必要があります。

相応しいスポンサーを獲得することと、正しい資金投入を理解することがこのモードでは不可欠になります。大枚をはたいてトップドライバーを獲得しても、優勝が狙えるチームと施設が揃っていなければ、すぐに移籍してしまうでしょう。

『My Team』の初心者用ヒント・アドバイスを教えてください。
『My Team』は『キャリアモード』よりも広範で、ゲームプレイも異なります。すべての資金をマシンのアップグレードに費やすのではなく、長期的視点からチームとして正しい投資をしていく必要があります。出費を抑えるために部門や施設を廃止してしまうのは避けたいところです。

また、チュートリアルを確認するようにしてください。インゲームアシスタントの “Carl / カール” も活用しましょう。セットアップの新機能やチーム運営の序盤でプレイヤーを助けてくれます。

あとは、チームのクールなヴィジュアルを用意しましょう。インパクトのあるカラーコンビネーションやチームマークを用意して、自分だけのチームを作り上げてください。

『キャリアモード』の新機能について教えてください。最もエキサイティングな機能は?
多くのファンが『F1 2019』でドライバーの移籍機能が追加されたことを覚えていると思います。『My Team』とドライバーの移籍市場が追加された『F1 2020』の『キャリアモード』にも同じようなシステムが用意されています。

このモードのプレイヤーのロールはドライバーですので、ライバルドライバーたちと最高のシートと報酬を争うことになります。また、研究開発のシステムも改良しました。

『F1 2020』のシーズンは22戦・10戦・16戦から選べますが、この仕様はプレイヤーにどのような影響を与えるのでしょうか?
すべてのプレイヤーがゆっくり時間をかけて『F1』シリーズを楽しめるわけではありません。F1のシーズンは非常に長いですし、レースウィークエンドを最初から最後まですべてプレイするのは時間がかかります。

ですので、プレイヤーの選択肢を増やし、シーズンをよりフレキシブルに楽しめるようにするため、今作では22戦・16戦・10戦から選べるようにしました。16戦と10戦では、プレイヤーが好きなサーキットを選べます。また、次のシーズンでサーキットを変更することも可能です。

この仕様は、これまでモナコやバクーに苦労していたプレイヤーを助けることにもなるでしょう。自分のスキルレベルに合わせたサーキットから始めたあと、徐々に難しいサーキットへステップアップできます。

『キャリアモード』の初心者用ヒント・アドバイスを教えてください。
『キャリアモード』の重要なヒントのひとつは「自分に合ったチームと難度を選ぶ」です。最初のシーズンから全勝とワールドチャンピオンを目指したいのなら、上位チームを選ぶべきです。

中位チームを選べば経験値を積むことができます。マシンの開発を進めたり、ドライバーの移籍動向を確認したりしながら、より競争力の高いチームを目指していきます。

また、下位チームからキャリアをスタートさせるのを好むプレイヤーもいます。移籍を繰り返してステップアップしながらワールドチャンピオンを目指すのです。『キャリアモード』では、自分がどのようなゲーミングエクスペリエンスを得たいのかを考えてください。

新サーキットについて教えてください。どのようなチャレンジが待っているのでしょうか?
ファンなら気付いていると思いますが、『F1』シリーズは新サーキットの追加を楽しんできました。今作も、ヴィジュアルと内容が大きく異なる2サーキットを追加することができました。

まず、F1オランダGPの舞台「ザントフォールト・サーキット」は、1985年以来のF1カレンダー復帰を果たした歴史あるサーキットです。北海沿岸の砂浜に接するように位置しています。

このサーキットはF1カレンダー復帰に合わせて大規模な改修が行われており、大きなバンク角がついた最終コーナーなどを備えています。

高低差、ブラインドコーナー、そして先を読む必要があるブレーキングポイントやエイペックスを擁するテクニカルでエキサイティングなサーキットですので、プレイヤーは感覚を研ぎ澄ませる必要があります。気を抜ける瞬間はありません。

もうひとつの新サーキットはF1ベトナムGPの舞台「ハノイ市街地コース」です。ここはF1カレンダーでは珍しい反時計回りのサーキットで、2本のロングストレートが最大の特徴です。そのうち1本はF1最長となります。

ロングストレートを擁する高速サーキットですので、ブレーキングゾーンがチャレンジングです。エキサイティングなオーバーテイクも楽しめます。

また、このサーキットにはシルバーストン(F1イギリスGP)のマゴット - ベケット、エルマノス・ロドリゲス・サーキット(F1メキシコGP)のターン8~11、サーキット・オブ・ジ・アメリカズのターン6~9のような、徐々に旋回半径が大きくなる複合コーナーも用意されています。

市街地コースですので、無茶なドライビングをすればマシンにダメージを与えてしまう可能性がありますが、F1カレンダー随一のスピードが楽しめるはずです。

今作では2画面分割が復活していますが、その理由を教えてください。前回から改良された部分はあるのでしょうか?
2画面分割機能は前世代機の『F1』シリーズにフィーチャーされていたのが最後です。ですので、復活させるためには完全に異なるテクノロジーを使用する必要がありました。

F1のような高い精度が求められるスポーツをテーマにしたゲームに2画面分割機能を用意するのは非常に大変だということは分かっていましたが、盛り込むタイミングが来たと感じていました。

F1はあらゆる年齢層とレベルのプレイヤーを取り込めるスポーツです。誰もがこのスポーツを愛しています。2画面分割機能では『F1 2020』をプレイする全員がゲーミングエクスペリエンスをシェアできます。楽しいソーシャル機能と言えるでしょう。

オンラインやeスポーツイベントでは “競争” を強く押し出していますが、F1マシンを並べて走らせる純粋な “楽しさ” も提供したいと思っています。

また、今作で新たに用意したアクセシビリティ系オプションと2画面分割を組み合わせたいとも思っていました。

今作は、ステアリングのアシスト機能、コースへの自動復帰機能、シンプルなランオフエリアなどを追加してアクセシビリティを高めていますので、これらの機能を2画面分割機能と組み合わせれば、あらゆるスキルレベルのプレイヤーが一緒にプレイを楽しめます。

『F1 2020: シューマッハ・デラックスエディション』について教えてください。
『F1』シリーズを長年プレイしているプレイヤーは知っていると思いますが、フランチャイズ・ディレクターを担当しているポール・ジールはミハエル・シューマッハの大ファンです。ですので、今作は彼の長年の夢を叶えた作品となっています。
そして、もちろん、F1史上最強ドライバーのひとりを讃えるトリビュート作品としても機能します。ミハエルはワールドチャンピオンに7回輝いた経験を持ちますが、そのキャリアを通じて非常に魅力的でアイコニックなF1マシン群を乗り継いできました。

『F1 2020』はプレイヤーのゲーミングエクスペリエンスをこれまで以上にカスタマイズできるようになっていますし、今年はF1世界選手権70周年ですので、F1シーンの真のレジェンドに触れるコンテンツの追加は相応しく思えました。

『F1 2020: シューマッハ・デラックスエディション』に収録されるF1マシン4台の選出基準とそれぞれの特徴を教えてください。
ミハエルが搭乗したF1マシンの中には真のF1アイコンが含まれています。

まず、ジョーダン191は非常に美しいマシンです。ルックスは個人によって好き嫌いが分かれるところですが、ジョーダン191は定期的にオールタイム・ベストルッキングマシンの1台に選ばれています。

1991シーズンを戦ったこのマシンはV8エンジンと6速マニュアルギアボックスを備えていて、近年のF1マシンとはスペックが大きく異なります。ミハエルはこのF1マシンをドライブしたあとベネトンへ移籍し、ワールドチャンピオンに2回輝きました。

ベネトン時代の1994シーズン、B194を駆ったミハエルは前半独走状態でした。後半はウィリアムズのデイモン・ヒルが巻き返したため苦戦しましたが、最後は1ポイント差でヒルを振り切りキャリア初のワールドチャンピオンを獲得しました。

B194を改良したB195をミハエルとジョニー・ハーバートがドライブした1995シーズンのベネトンは引き続き強さを発揮し、シューマッハは2回目のワールドチャンピオンに輝きました。また、チームもコンストラクターズチャンピオンに輝きました。

そして、フェラーリのF1-2000はミハエルにタイトル5連覇をもたらすきっかけとなった1台です。強烈なV10エンジンと7速セミオートギアボックスを備えていたこのF1マシンを駆ったミハエルは、2000シーズン全17戦で9勝を挙げてワールドチャンピオンに輝きました。また、フェラーリもコンストラクターズタイトルを獲得しました。



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カテゴリー: F1 / コードマスターズ