シャルル・ルクレール F1モナコGP連覇挑戦もフェラーリに不安材料

そして今年、ルクレールは再びモナコに戻ってきたが、今季まだ1勝も挙げられておらず、今年のフェラーリでは連覇は容易ではないように見える。
現在、フェラーリはコンストラクターズランキング4位で、首位のマクラーレンとは165ポイント差。ルクレールはドライバーズランキング5位につけているが、首位のオスカー・ピアストリとは85ポイント差があり、これまで表彰台は1度しかない。

今年のフェラーリは低速コーナーでの性能が弱点となっており、モナコの市街地コースはその大半が低速セクションで構成されていることから、相性の悪さが懸念されている。
そのため、木曜日のメディアデーで地元優勝の再現について問われたルクレールは、慎重な姿勢を見せた。
「正直に答えるなら、(勝てる可能性は)低い」とルクレールは語った。
「残念ながら、うちのクルマは低速コーナーでは特に強くない。モナコはそのすべてが低速コーナーで構成されている。データを見る限りでは、ここは僕たち向きのトラックじゃない」
「ただ、モナコは非常にユニークで、他のどのレースとも違うから、明日クルマを走らせてみたら良い意味でのサプライズがあるかもしれない。そうなることを願っている」
「もしそうなれば、土曜日にはしっかりそこにいられるようにしたい。予選が週末で最も重要なセッションなのは間違いない。でも、理論的には、かなり厳しい週末になりそうだ」

ルクレールはこのコースを歩いたりバスで通学したりしていた地元出身であり、これまでもモナコでの速さをたびたび見せてきた。2021年と2022年にはポールポジションを獲得しているが、勝利には至らなかった。
フェラーリが最速マシンではなかったシーズンであっても、ミスが即座に敗北につながるこのコースでは、運と集中力によって成功をつかむことが可能であることを証明してきた。
「これまで、ポールは無理だと思っていた時にこそ特別な結果を出せたことがある。例えば2021年、シーズンを通してうまくいっていなかったけれど、ここではポールを取ることができた」
「期待値がゼロだと、Q3で思い切ってアタックすることができる。逆に、期待されているドライバーは結果を守ろうとしてしまう。そうした違いが、何か特別なものにつながるんだと思う」
「昨年の再現ができればと期待している。あの勝利の記憶はまだ新しい。ここに戻ってきて、その時のことを思い出すと、やはり特別な瞬間だったと感じる」

一部のチームはすでに2025年型マシンの開発を停止し、すべてのリソースを2026年に向けて切り替えているが、フェラーリはそうではない。今年のマシンにも新パーツを投入していく予定だ。
ポイントでもパフォーマンスでもリードを許しているものの、フェラーリはこのシーズンをまだ捨ててはいない。
ルクレールは、過去2年にわたって大規模アップグレードで躍進したマクラーレンを例に挙げ、シーズン途中の努力が意味を持つと強調する。
「まだあきらめるには早すぎる。確かにシーズン中盤に近づいているけれど、僕たちは今ここで手を止めるわけにはいかない」
「昨年、マクラーレンが大きなアップグレードを持ち込んで状況を一変させた例もある。バルセロナでは、新しいフロントウイング規定が導入される。その影響が僕たちにとってどうなるのか、そこで見極めることになるだろう」
「その後、来年に向けて開発リソースを切り替えるかどうかの判断が必要になる。たぶんフレッド(バスール代表)が決断を下すことになる。2026年をしっかりスタートするために、それが非常に重要なんだ」
「今のマシンの何が問題なのか? 正直、自分にも分からない。何かしら新しいパーツは用意されているけれど、投入時期については言えない。というのも、チームが最大限努力して早めようとしているから、スケジュールが流動的なんだ」
「それがギャップを縮めるのに十分かどうか? 縮められることを願っているけど、トップに立って勝てるかどうかは、まだ判断できない」

今年のフェラーリは予選での苦戦が顕著で、前戦イモラではカナダGP以来となるQ3進出ゼロとなった。レースペースがあっても、後方からのスタートでは上位争いは難しい。
ルクレールも、それを理解している。
「モナコで表彰台に乗るには、プラクティス3回を通して予選用セットアップをしっかり見つける必要がある。Q3の1周が何よりも重要だ」
「とにかく、僕たち自身をいい意味で驚かせることができるよう努力する。その気持ちは日曜まで変わらない」
「そして、いざ日曜になって、レース中に『このクルマには速さがない』と感じたとき、初めてフラストレーションが湧いてくる。けれど、それまでは常にベストを尽くす」
「Q3のあの1周までは、何か特別なことができるかもしれないという希望を持ち続ける。確かにある程度の予想はあるけれど、全員が限界まで攻めた結果を見るまでは、自分たちの正確な位置は分からない。だからこそ、最後の1周まで希望を持って臨むよ」
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