F1:カルロス・サインツJr. 父のFIA会長選断念に心境複雑「理解しているが残念」
カルロス・サインツSr.が先週初め、FIA(国際自動車連盟)会長選からの撤退を表明したことは大きな驚きではなかったが、その息子であるカルロス・サインツJr.は、この決断に対して落胆を隠さなかった。

「息子としてなら、いいえ。モータースポーツファンとしてなら、そうだ」とウィリアムズのドライバーであるサインツJr.は認めた。「多くのモータースポーツ関係者が、父が立候補して、スポーツのために何ができるのかを見てみたかったと思う」

「でも息子として、そして彼と一緒にいろいろ評価した結果としても、あのポジションに立候補するには本当にたくさんのことに関わって、気を配らなければならないということがわかったから、彼がそうしないと決めて、自分のことに集中するという判断を理解している」

サインツSr.も、昨日発表した声明の中で、同様の理由を挙げていた。

「熟考の末、現時点の状況は自分の立候補の基盤を築くのに理想的ではないと判断した」と彼は記した。

「さらに、FIA会長選に本格的に取り組むことは、ダカール・ラリーへの準備に著しく支障をきたすことに気づいた。私はフォードと自分のチームに対する責任を軽くしたくない。このような懸念から、現実的に判断し、今回はFIAへの挑戦を断念することにした」

F1ドライバーの父が将来FIA会長選に再挑戦する可能性について問われると、サインツJr.はその可能性を完全には否定しなかった。

「決して“絶対にない”とは言わない。今が理想的なタイミングだったと思う。今のFIAやF1の状況を考えると、ポジティブな影響を与えるには最も良い時期だったと思う」と語った。

「4年後や8年後にそれが理想的なタイミングになるかはわからない。“決してない”とは言わないけど、今の時点では、彼はもうその気はないのは確かだ」

カルロス・サインツJr. F1 国際自動車連盟

サインツJr.は現在、オーストリアGPの週末に集中しているが、父の撤退によって、FIAのガバナンスに関する議論は続くことになる。特に最近、F1のペナルティガイドラインが公開されたことで、その傾向はさらに強まっている。

FIAがこの文書を通じてシリーズにおける「透明性の向上」を図っているなか、モハメド・ビン・スライエム会長が今後も職に留まる可能性が高まっているように見える。

「これはもう秘密じゃないと思う。ドライバーとして、ここ数年、FIAの主要なガバナンスとの間に、透明性や理解の欠如を感じることがあった」とサインツJr.はスライエムの任期について語った。

「意図は良かったのかもしれないし、FIAが物事を進めようとしたやり方も、常に善意の中でのことだったかもしれない。でもドライバーとしては、常に少し蚊帳の外に置かれていて、意見をあまり聞いてもらえていないと感じることが多かった」

「訂正が入ることもあって、良いリアクションだったと感じたこともあるけど、明らかにそう感じられなかった時もあって、それは僕たちが声明などで非常に明確に示してきた」

「これからは改善されていくと信じているし、今日のFIAからのプレスリリースは、すでに物事をより明確にしようという意志の表れかもしれない」

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / カルロス・サインツJr. / ウィリアムズ・レーシング / FIA(国際自動車連盟)