カルロス・サインツSr. 「息子のウィリアムズF1移籍は正解だった」
FIA(国際自動車連盟)の次期会長選への立候補を検討しているカルロス・サインツSr.が、息子カルロス・サインツJr.の2025年シーズンに向けたウィリアムズF1への移籍について、「正しい判断だった」と支持を表明した。

30歳のカルロス・サインツJr.は、マイアミGPでチームメイトのアレックス・アルボンにオーバーテイクされたことに怒りを示していた。無線では「アルボンにはステイ(順位維持)の指示が出ている」と伝えられていたにもかかわらず、実際には前に出られてしまった。

チェッカーフラッグ後、サインツJr.は無線で次のように語っている。

「こんなやり方でレースはしない。どうでもいいよ。ここでの出来事で、すべてに対する自信を失った」

来季フェラーリにはルイス・ハミルトンが加入予定であり、サインツJr.は昨年の段階で他のトップチームからのオファーを得られず、ウィリアムズ、アルピーヌ、もしくはアウディ傘下のザウバーのいずれかを選ぶ必要があった。

ラリーレジェンドである父カルロス・サインツSr.は、当初アウディ加入を強く勧めていた人物でもある。彼自身、昨年フォルクスワーゲン傘下のアウディ車でダカール・ラリーを制している。

しかし現在63歳のサインツSr.は、スペインのスポーツ紙『マルカ』に対し、次のように語った。

「今はウィリアムズが正しい選択だったと思っている。昨年はグリッド後方のチームだったのに、カルロスはすでに予選で6番手を獲得した。チームはある意味サプライズであり、今となっては正解だったと認めざるを得ない」


カルロス・サインツFIA(国際自動車連盟)の次期会長選への立候補を検討しているカルロス・サインツSr.

一方で、2026年から施行される新しいシャシーおよびエンジンのレギュレーションを見据えると、アウディのようなワークス体制を選んだ方が長期的には有利だったのではという声も根強い。

この点についても、サインツSr.は次のように述べている。

「これほどラジカルにレギュレーションが変わると、もはや“カクテル”のようなもので、誰が成功し誰が失敗するかは実際に始まってみないと分からない。来年の最初のレースが始まるまでは、誰が正しかったのか判断するのは非常に難しいだろう」

また、自身のFIA会長選出馬の可能性についても言及。息子がF1ドライバーであり、グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション(GPDA)の共同ディレクターを務めていることから“利益相反”の懸念が一部で取り沙汰されているが、それについては次のように否定した。

「私のことをよく知る人々は、それが問題にならないことを理解している」

さらに、息子のマネジメントチームからは距離を置く考えであることも明言している。

仮に立候補した場合、現職で物議を醸すモハメド・ビン・スライエム会長に対し、サインツSr.は有力な対抗馬となると多くの関係者が見ている。

「モータースポーツ界の重要人物たちが、私に決断を促してくれている。だから真剣に検討している」

スペイン紙『ディアリオ・スポルト』によると、サインツSr.は次のようにも語っている。

「自分に本当に十分な支持があるのか、そして挑戦する価値があるのかを見極めなければならない」

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カテゴリー: F1 / カルロス・サインツJr. / ウィリアムズ・レーシング