2026年F1カナダGP 決勝:全22名の持ちタイヤ数&タイヤ戦略予想

さらに、6番グリッドのマックス・フェルスタッペン、そして日曜決勝で予報されている雨が戦略図を大きく揺さぶる可能性がある。モントリオールでは今季初のウエットレースとなる可能性が高く、タイヤマネジメントとピットタイミングが勝敗を左右しそうだ。
昨年はメルセデス優勢 2ストップが主流だった
2025年のカナダGPは、メルセデスにとって数少ないハイライトのひとつだった。ジョージ・ラッセルがポールポジションを獲得し、決勝でも勝利。ラッセル、マックス・フェルスタッペン、キミ・アントネッリ、オスカー・ピアストリの上位4台は、いずれもミディアム→ハード→ハードの2ストップ戦略を採用した。
ラッセルは13周目と42周目にピットインし、レースをコントロールした。一方で、異なる戦略を選んだのがシャルル・ルクレールだった。8番グリッドからハード→ハード→ミディアムを選択し、28周目まで引っ張るロングスティントで順位を上げた。
ランド・ノリスも別戦略組だった。7番手スタートからハード→ミディアム→ハードを選択し、終盤にフレッシュタイヤを活かして先頭争いへ接近していった。
さらに、ニコ・ヒュルケンベルグはミディアム→ハードの1ストップで8位。エステバン・オコンとカルロス・サインツはハード→ミディアムを採用し、57周目まで引っ張る戦略でポイント圏内へ浮上した。

今年の本命はミディアム→ハードの1ストップ
2026年シーズン序盤4戦はすべてミディアム→ハードの1ストップ戦略が勝利している。シミュレーションでも、今回のカナダGPは同戦略が最速と予測されている。
理想的なピットウインドウは21〜27周目付近。摩耗が低いジル・ビルヌーブ・サーキットでは、2ストップを強いられる可能性は低く、各チームはできる限りワンストップ維持を狙う見込みだ。
ただし、各車が“先に止まりたくない”心理戦に入れば、戦略は変わる可能性もある。もしミディアムを40周近くまで引っ張れれば、ハードではなくソフトを最後に履くミディアム→ソフト戦略が視野に入る。
セルジオ・ペレスが示した“ソフトスタート”の可能性
スプリントで注目されたのは、キャデラックのセルジオ・ペレスだった。
16番手スタートからソフトタイヤを選択し、スタート直後の高いグリップとウォームアップ性能を活かして一気に3ポジションアップ。23周を通してペースも悪くなく、ソフト→ハード戦略の有効性を示した。
この戦略の理想ピットウインドウは17〜23周目付近。ただし柔軟性には欠けるため、通常コンディションではややギャンブル性が高い。
一方で、決勝が“完全ウエットではない濡れた路面”でスタートする場合や、序盤ドライで途中から雨予報という状況なら、この戦略は一気に魅力を増す可能性がある。

後方勢はハード→ミディアムが現実的
後方グリッド勢にとっては、伝統的なハード→ミディアム戦略が依然として有力候補となる。
この場合の最適ピットウインドウは38〜44周目。セーフティカー発生率が高いカナダでは、“安いピットストップ”を狙える可能性もあり、後方勢には大きなチャンスとなる。
ドライコンディションなら2ストップの可能性はかなり低いが、もし誰かが試すなら、ミディアム→ハード→ソフトの構成が有力。1回目のストップは19〜25周目、2回目は43〜49周目が理想とされている。

雨が来れば状況は一変 “完璧な嵐”になる可能性
しかし、すべての戦略計算を崩す可能性があるのが雨だ。
FIAはすでに「レインハザード」を宣言しており、決勝日は強風、低温、断続的な雨という難コンディションが予想されている。気温は11〜12℃程度までしか上がらない見込みだ。
しかも、ジル・ビルヌーブ・サーキットは高速コーナーが少なく、タイヤに熱を入れにくい。つまり、ウエットタイヤを適正温度に持っていくのが極めて難しい。
ピレリのシモーネ・ベラは、この状況を「完璧な嵐」と表現した。
「ウエットタイヤの方がインターミディエイトより速くなる可能性もある。低温条件ではインターのウォームアップが非常に難しいからだ」
ランド・ノリスも予選後に次のように語っている。
「かなりクレイジーに難しいレースになると思う。ドライですらソフトタイヤに熱を入れるのが難しいのに、さらに10℃低くなって、インターやウエットを使うことになる」
「明日どうなるのか、本当に楽しみだ」
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