F1カナダGP初日 ピレリ総括:ラッセル最速 メルセデスPU勢が上位独占
ジョージ・ラッセルがF1カナダGP初日の走行を最速で締めくくった。メルセデスのドライバーはフリー走行2回目で1分12秒123を記録し、2番手のランド・ノリス(マクラーレン)に0.028秒差をつけてトップに立った。メルセデスにとっては好調な1日で、アンドレア・キミ・アントネッリも1分12秒411で3番手に入り、上位を固めた。

注目すべきは、タイムシートの上位7名が全員メルセデス製パワーユニットを搭載したマシンをドライブしていたことだ。

一方で、シャルル・ルクレールとランス・ストロールはFP2でタイムを記録できなかった。フェラーリのルクレールはFP1でのクラッシュによるマシンのダメージにより午後のセッションを欠場。地元のストロールはターン7の出口でウォールに接触し、左フロントのサスペンションを破損した。

オン・トラックの動向
FP1では、レーシングブルズとザウバーの2チームだけがミディアムタイヤを使用し、他の16名のドライバーはソフトタイヤで走行した。FP2でもザウバー勢は再び注目を集め、ハードタイヤを投入。一方、アロンソはC6コンパウンドを2セットのみ使用した。

カナダGP F1 2025年のF1世界選手権 カナダグランプリ

ピレリ チーフエンジニア シモーネ・ベッラのコメント
「今日は非常に興味深い初日となった。理由は複数ある。今回で3回目の投入となる新型C6コンパウンドについて、特性を改めて確認することができた。絶対的なパフォーマンスにおいては、C5と非常に近いが、それでも総合的に見ればC6のほうが速い。

ただし、今日の最速タイムがミディアムで記録されたことは、それ自体はあまり重要ではない。なぜなら、2回のセッションを通して路面状況が大きく変化しており、セッション間でも進化が見られたからだ。

さらにラッセルは通常とは異なるアプローチを採り、最初にソフト、次にミディアムを使用した。そのためミディアム走行時には、ラバーが乗ってグリップの上がった路面の恩恵を受けていた。

また、比較的涼しい気温条件の中でも、C6は1周目以降も良好なパフォーマンスを回復できていた。これは注目すべき点だ。

実際、気温は今後の評価において重要な要素となる。決勝が行われる日曜日は、今日よりも晴れて暖かくなる見込みで、気温は今日の午後よりも10度ほど高くなる可能性がある。なお、決勝は14時スタートだが、今日のFP2は17時に行われた。

タイヤ運用に関しては、金曜日としては異例のアプローチを採ったチームもあった。ミディアム2セット+ソフト2セットを使ったチームもいれば、すでにハードを投入したチームもある。一方、多くのチームはC5を1セット、C6を3セット使用した。

今日のグレイニングはかなり顕著だったが、今後改善されるはずだ。もっとも、決勝で完全に解消するかはまだ不明である。

デグラデーションに関しては、ミディアムとハードがともに良好な性能を示していた。ただし、先述のとおり気温の上昇が影響を及ぼす可能性がある。

戦略面においては、10チーム中9チームがハードを2セット温存していることから、これが決勝で主力タイヤになるのはほぼ確実だ。ソフトは出番がないだろう。

明日のフリー走行3回目を経て、予選に向けてミディアムの使い方やソフトのマネジメントがどのように行われるのか注目だ。

現時点でのシミュレーションでは、2ストップ戦略が最も速いとされており、今のところそれを覆す要素はない。ただし、より多くの情報が得られるのは明日の午後になる。」

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カテゴリー: F1 / F1カナダGP / ピレリ