キャデラックF1チーム、TikTok出身のアフメド・イクバルをCMOに招聘

キャデラックF1チームによると、イクバルはブランド開発、ファンエンゲージメント、パートナーシップ戦略など、グローバル市場におけるマーケティング全体を統括。
米国モータースポーツ市場で同チームの存在感を定義し、持続的で独自性のあるブランドアイデンティティ構築を担うという。
同氏は声明で「キャデラックF1の一員となり、世界最大のレースステージでアメリカのモータースポーツの新章を描く機会は、まさに“一世一代のチャンス”だ」と語っている。
同チームによれば、イクバルはインタラクティブなデジタル体験、コミュニティ主導のストーリーテリング、ライブイベントなど、多面的なファン体験の創出にも取り組み、「アメリカのモータースポーツファンを結びつける存在」としてキャデラックF1チームを確立していく方針だ。
イクバルはTikTokで自動車戦略を率いた経験を持ち、その前はTwitter(現X)でグローバル自動車部門を担当。さらに、JPモルガンでの投資銀行キャリアを経て、アウディ・オブ・アメリカで7年間にわたり複数のリーダー職を歴任している。
キャデラックF1チームが狙う“アメリカ市場の主導権”
キャデラックF1チームの採用動向は明確に「米国市場での存在感最大化」を目指しており、今回のCMO起用はその戦略を象徴している。
F1は近年アメリカで人気が急上昇し、マイアミ、ラスベガス、オースティンの3レース体制に加え、Netflix効果も相まって新規ファン層が急拡大している。アメリカンブランドのキャデラックにとって、2026年参戦は単なるスポーツプロジェクトではなく、ブランド刷新と市場拡大に直結する国家的規模の取り組みだ。
イクバルはTikTokやTwitter(X)でのソーシャル戦略構築の経験を持つ“デジタルネイティブ型マーケター”であり、F1チームのCMOとしては極めて異色の経歴を持つ。だからこそ、若年層や新規ファンへのリーチ、デジタル施策、コミュニティ形成など、従来のF1チームとは異なるアプローチが期待できる。
2026年はアメリカのメーカー、アメリカのブランド、アメリカ人主導のマーケティングという“完全国産F1プロジェクト”が本格稼働する年となり、キャデラックF1チームがどのように存在感を確立していくかは大きな注目を集めそうだ。
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