キャデラックF1、周冠宇のリザーブ起用を躊躇 “ネガティブ反応”を恐れ保留

チームはすでにバルテリ・ボッタスとセルジオ・ペレスの2年契約を締結し、経験豊富なラインアップを確保した。しかし、両者をバックアップするリザーブ枠はいまだ空席のままだ。
ペレスは今週、イモラでフェラーリSF-23を用いたTPC(旧型車テスト)に参加。キャデラックに加入後初のF1走行となり、1分18秒82を記録した。キャデラックは自前のマシンを持たないため、2026年のエンジンサプライヤーとなるフェラーリと協力しテストを実施した。
“最有力”は周冠宇 だがキャデラックは発表をためらう理由
複数の関係者によると、キャデラックは2026年のリザーブドライバーとして周冠宇を最有力視している。周冠宇は2022〜2024年にザウバーで68戦に出場し、2025年はフェラーリのリザーブとして活動中。来季キャデラックが使用するフェラーリエンジンとギアボックスにも精通しており、人材としての適合性は高い。
しかしGM側は、“中国人ドライバーを起用することによる世論の反応”を懸念しており、正式発表を急がない姿勢だとされる。
周冠宇は本来、2026年のキャデラックのレースシート候補でもあったが、最終的にチームは経験豊富なボッタスとペレスのペアを選択。周冠宇はリザーブ候補としてリストに残る形となった。
候補探しは難航、クロフォードも断念
キャデラックは当初、アメリカ人ドライバーであるジャック・クロフォードをリザーブ候補として検討していた。しかしクロフォードはアストンマーティンでフェルナンド・アロンソとランス・ストロールのリザーブを継続することを選択。2025年F2ランキング2位の逸材を確保することはできなかった。
また、リザーブを務めるにはF1出走可能なスーパーライセンスと“直近の実戦経験”が必要であり、この条件を満たすドライバーは限られている。キャデラックはF2参戦を控えるコルトン・ハータをテストドライバーとして抱えているものの、リザーブとして即時投入できる状態ではない。

フェラーリとの関係を活用し、周冠宇を“兼任”起用か
報道によると、キャデラックはフェラーリとの技術提携をさらに深め、周冠宇をリザーブとして“共同起用”する可能性を検討している。2026年、フェラーリエンジンを使用するチームはフェラーリ、ハースF1チーム、そしてキャデラックF1の3チーム。周冠宇はハースのリザーブも兼任できる可能性が指摘されている。
周冠宇はすでにフェラーリのリザーブ要員として働いているため、技術面での適応もスムーズだと見られる。
キャデラックF1の残る課題は“第3の戦力”
キャデラックF1は大型プロジェクトであり、ボッタスとペレスの2年契約により一定の安定性は確保された。しかし、新規参入チームにとってリザーブドライバーの重要性は大きい。特に2026年は大規模なレギュレーション変更の年であり、シミュレーター作業やテスト参加がチームの競争力に直結する。
周冠宇はその役割に適した実績を持つものの、GMが“発表タイミング”を慎重に見極めていることで、決定が遅れていると見られる。
Source: F1 OVERSTEER
カテゴリー: F1 / キャデラックF1チーム / 周冠宇
