キャデラックF1チーム 2026年のデビューを開発面で優位性を享受
スライディング・スケールによる空力テスト割り当てに従い、キャデラックは風洞テストとCFD（数値流体力学）に制限を受けることになる。
しかし、このスライディング・スケールではザウバーと並んで最後のチームとなり、風洞テストとCFD項目についてはベースライン割り当ての115％の権利を得ることになる。
これは、コンストラクターズランキングの上位半分に入れば、ベースライン配分の70～80％しか受け取れない上位チームに対して、大きなアドバンテージとなる可能性がある。キャデラックとザウバーは、2025年7月まで、ランキング順位に応じて配分がリセットされるまで、同じ量のテスト時間を持つことになる。
これはキャデラックにとっては何も変わらないが、ザウバーやウィリアムズ、ハース、レーシングブルズ、アルピーヌといった下位チームは、ランキングでの位置によってテスト割り当てに変更が生じる可能性がある。
さらに、キャデラックは2026年のマシン開発に1年を通して集中できる一方で、他のチームは2025年のマシン開発と新レギュレーションへの準備を並行して進めなければならない。これは、F1マシン開発の経験がないキャデラックにとって有利に働く可能性がある。
とはいえ、2026年のレギュレーションはすべてのチームにとって白紙の状態から始まるため、キュデラックが圧倒的に有利になるわけではない。
キャデラックの迅速なスタートに向けた取り組み
キャデラックは、F1プロジェクトを好調な滑り出しでスタートさせるため、今年1年を全力で取り組む構えだ。F1パドックから技術的才能を獲得したほか、元F1ドライバーのマーカス・エリクソンをチームのシミュレーター評価担当として迎え入れた。
ザウバーとケータハムでレースをしていたエリクソンは、ViaplayのF1ポッドキャストで次のように明かした。「僕の雇用主であるアンドレッティが、イギリスに飛んでさまざまなシミュレーターをテストしてほしいと依頼してきたんだ」
「僕がフィードバックを提供することで、F1、インディカー、スポーツカーレースなど、組織全体に最適なモデルを選ぶことができるだろう」
エリクソンは、チップ・ガナッシ・レーシングで4シーズンを過ごした後、2024年にインディカーのアンドレッティ・レーシングでレースを始めた。F1では思うような成功を収めることはできなかったが、スウェーデン人ドライバーは、インディカーやIMSAで大西洋を越えた経験を積み、キャデラックのF1プロジェクトを導くことになった。
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