F1 ブラジルグランプリ:インテルラゴス・サーキット 解説
2017年のF1世界選手権 第19戦 ブラジルグランプリが、11月10日(金)~12日(日)にサンパウロのインテルラゴス・サーキットで行われる。
インテルラゴスは、F1カレンダーの中で最も古く、歴史ある開催地の一つ。1973年に最初のグランプリを開催した際には、全長7.960㎞の超高速レイアウトで、マクラーレンでチャンピオンとなった同国出身のエマーソン・フィッティパルディ曰く“ジェットコースター”のようなサーキットだった
80年代後半に安全性対策のためにコース短縮と改修が行われ、1990年より新たなレイアウトでブラジルGPの舞台となっている。同サーキットは2つの池の間にある湿地帯に建てられており、Inter(間)+lagos(池)が語源となっている。
前戦のメキシコもだったが、高地と熱狂的な観衆がチームを迎える。インテルラゴスの標高は800mで、薄い空気がダウンフォースと冷却に影響を及ぼす。また、サーキットの収容人員は8万人と少なめだが、ブラジルのファンは情熱的で、素晴らしい雰囲気を作り出す。
これまでにブラジル人F1ドライバーは30人おり、そのうち3人が複数回のタイトル獲得を果たしている(エマーソン・フィッティパルディ、ネルソン・ピケ、アイルトン・セナ)。同国で一番人気のスポーツはサッカーで、3度のワールドカップ制覇を経験した国の英雄、ペレ氏は2002年のブラジルGPでチェッカーフラッグを担当した。このときには、優勝したミハエル・シューマッハのゴールにフラッグが間に合わないというハプニングもあった。
マクラーレンはこれまでブラジルで12勝を挙げており、直近の勝利は2012年。1974年にエマーソン・フィッティパルディが母国GPでのポール・トゥ・ウインを達成したが、厳しいレースを制してのものだった。ターン1でロニー・ピーターソンに先行されたフィッティパルディは、ピーターソンがパンクでピットインするまでリードを奪い返せず。レースは大雨によって予定の40周から8周短縮され、クレイ・レガツォーニ、ジャッキー・イクスに先着して勝利を手にした。
また、1991年は、同国のヒーロー、アイルトン・セナが優勝。このとき、彼の駆るMP4/6はギアが6速でスタックしていたが、ウイリアムズのリカルド・パトレーゼからの猛追をなんとかしのぎ切った。レース後のセナは疲労困憊し、マシンから自力で降りられないほどだった。
関連:2017 F1ブラジルグランプリ テレビ放送時間&タイムスケジュール
カテゴリー: F1 / F1ブラジルGP
インテルラゴスは、F1カレンダーの中で最も古く、歴史ある開催地の一つ。1973年に最初のグランプリを開催した際には、全長7.960㎞の超高速レイアウトで、マクラーレンでチャンピオンとなった同国出身のエマーソン・フィッティパルディ曰く“ジェットコースター”のようなサーキットだった
80年代後半に安全性対策のためにコース短縮と改修が行われ、1990年より新たなレイアウトでブラジルGPの舞台となっている。同サーキットは2つの池の間にある湿地帯に建てられており、Inter(間)+lagos(池)が語源となっている。
前戦のメキシコもだったが、高地と熱狂的な観衆がチームを迎える。インテルラゴスの標高は800mで、薄い空気がダウンフォースと冷却に影響を及ぼす。また、サーキットの収容人員は8万人と少なめだが、ブラジルのファンは情熱的で、素晴らしい雰囲気を作り出す。
これまでにブラジル人F1ドライバーは30人おり、そのうち3人が複数回のタイトル獲得を果たしている(エマーソン・フィッティパルディ、ネルソン・ピケ、アイルトン・セナ)。同国で一番人気のスポーツはサッカーで、3度のワールドカップ制覇を経験した国の英雄、ペレ氏は2002年のブラジルGPでチェッカーフラッグを担当した。このときには、優勝したミハエル・シューマッハのゴールにフラッグが間に合わないというハプニングもあった。
マクラーレンはこれまでブラジルで12勝を挙げており、直近の勝利は2012年。1974年にエマーソン・フィッティパルディが母国GPでのポール・トゥ・ウインを達成したが、厳しいレースを制してのものだった。ターン1でロニー・ピーターソンに先行されたフィッティパルディは、ピーターソンがパンクでピットインするまでリードを奪い返せず。レースは大雨によって予定の40周から8周短縮され、クレイ・レガツォーニ、ジャッキー・イクスに先着して勝利を手にした。
また、1991年は、同国のヒーロー、アイルトン・セナが優勝。このとき、彼の駆るMP4/6はギアが6速でスタックしていたが、ウイリアムズのリカルド・パトレーゼからの猛追をなんとかしのぎ切った。レース後のセナは疲労困憊し、マシンから自力で降りられないほどだった。
【動画】 F1ブラジルグランプリ インテルラゴス・ベイ・サーキット解説
インテルラゴス・サーキット
全長 | 4.309㎞ ※カレンダー中3番目の短さ。 |
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2016ポールポジション | ルイス・ハミルトン 1分10秒736 |
2016ファステストラップ | マックス・フェルスタッペン1分25秒305(67周目) |
ラップレコード | 1分11秒473 (ファン・パブロ・モントーヤ、2004年) |
エンジニアリング | 傾斜のあるコーナーが多く、フロントのロックが問題となる。例えば、ターン1への進入では、コーナリング開始地点から下り坂となっているので、左フロントタイヤがロックしやすい。また、ターン11~15は左コーナーが連続し、燃料タンク内のバランスが偏るため、予選時に燃料供給が途切れてパワー不足に陥る可能性がある。 |
ドライビング | 縁石をうまく使えるかがカギ。ターン8をはじめ、多くのコーナーでエイペックスの縁石を使うことによってラップタイムが向上する。コース上で最大のオーバーテイクポイントはターン1。難易度の高いコーナーでもあり、ロングストレートの直後で進入速度が速い上、下り坂になっているのでコースオフしやすいこともバトルの行方に影響する。 |
マシンセットアップ | ダウンフォースを多めに設定。指標となるのはターン3で、2017年型マシンでは全開走行が可能かもしれず、その場合チームは最高速を高めるためにダウンフォースを削るだろう。 |
グリップレベル | 高い。2年前に再舗装が行われ、いいコンディションを保っている。コース上のバンプも改善されており、これまでよりも車高を低く、足回りを硬めに設定できるようになっている。 |
タイヤ | スーパーソフト(赤)、ソフト(黄)、ミディアム(白) ※この組み合わせは今季9回目 |
ターン1までの距離 | 190m |
最長ストレート | 650m ※ターン1へ向かう直線 |
トップスピード | 時速320㎞(ターン1への進入時) |
スロットル全開率 | 62% |
ブレーキ負荷 | 低い。ブレーキングポイントは6カ所で、そのうち2カ所のみでハードブレーキング。一周のうちでブレーキを使用するのは15%にすぎない。 |
燃費 | 1周あたり1.49㎏を消費。カレンダー中でも低め |
ERSの影響 | 高い。ERSの使用箇所は多いが、ブレーキングが少なく回生ポイントは多くない。 |
ギアチェンジ | 42回/1ラップ、2,982回/レース |
ブラジルグランプリ
周回数 | 71ラップ |
---|---|
スタート時間 | 現地時間14時(日本時間月曜午前1時) |
グリッド | ポールポジションはコース外側で、レーシングライン上にあるためアドバンテージは大きい。ターン1への距離がかなり短く、スタート直後の進入で接触が頻繁に起きる。 |
DRS | ゾーンは2つ。ターン1と4へ向かうストレート。 |
ピットストップ | 昨年のレースではウエットコンディションによってイレギュラーな展開となり、優勝したルイス・ハミルトンはウエットタイヤで3スティント、3位のマックス・フェルスタッペンはウエットとインターミディエイトで6スティントと戦略が分かれた。今年ドライコンディションになった場合には、ピレリが硬めのコンパウンドを選択しているので1ストップが予想される。 |
ピットレーン | 380m。1回のストップでのタイムロスは約20秒。ピット入り口がストレートの真ん中にあり、進入時に白線をまたがないように注意しなければならない。 |
セーフティカー | 出動率は70%。接触やクラッシュなどが多いコースであり、多くのレースでセーフティカーまたはバーチャルセーフティカーが導入されている。 |
注目ポイント | 天候。開催地サンパウロは「テラ・ダ・ガロア=霧雨の地」と呼ばれ、コンディションが変わりやすく、エキサイティングなレースを演出する。 |
見どころ | コースレイアウトと気象条件があいまって、展開が読めない、白熱のレースが繰り広げられる。また、コースが丘陵地帯にあることから、どこからも見晴らしが良く、観衆にとっても見やすいサーキットである。 |
カテゴリー: F1 / F1ブラジルGP