アストンマーティン・ホンダF1、ニューウェイが描くAMR26の設計思想
ホンダ製パワーユニットを搭載し、エイドリアン・ニューウェイが設計に関与するアストンマーティンの2026年F1マシン「AMR26」は、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールによってドライブされる予定だ。

2026年F1レギュレーション導入と同時に登場するこのマシンは、ニューウェイにとってアストンマーティンで初めて本格的に手掛けるF1マシンとなる。

AMR26を設計するのは誰か
AMR26は、エイドリアン・ニューウェイがレッドブルから移籍して以来、初めて設計に携わるアストンマーティンF1マシンだ。

ニューウェイはF1史上最も成功したエンジニアの一人であり、200勝以上、ドライバーズおよびコンストラクターズ選手権通算26回のタイトルに関与してきた。

2024年9月に移籍が発表され、2025年3月3日からアストンマーティンに正式合流した。役職はマネージング・テクニカル・パートナーであり、チーム株主でもある。

さらに2025年シーズン終盤、ニューウェイは2026年からチーム代表を兼任することが発表された。

前任のアンディ・コーウェルは、新シーズンに向けてチーフ・ストラテジー・オフィサーに就任し、アストンマーティン、ホンダ、アラムコの三者連携を統括する役割を担う。

ニューウェイは67歳となった現在も、レギュレーション変更期に強みを発揮する人物として知られ、ウィリアムズ、マクラーレン、レッドブルのすべてで規則改定を好機に変えてきた。

AMR26の設計はニューウェイ単独ではなく、2025年7月にフェラーリから加入した最高技術責任者エンリコ・カルディレも深く関与している。

チーム体制とニューウェイの立場
アストンマーティンは2026年に向け、技術部門の再編を実施したとされている。

空力部門ディレクターのエリック・ブランディン、チーフデザイナーの羽賀昭夫らの役割にも変更があったと見られている。

ニューウェイ自身は、チーム代表就任が設計業務に影響を与えることはないと強調してきた。

「それこそが僕がやりたいことであり、朝ベッドから起きる理由だ。だから薄めるつもりはない」とニューウェイは語った。

またニューウェイは、チーム代表という役職に強いこだわりを持っていないことも示唆している。

2026年序盤はすべてのレースに帯同する予定であるため、「どうせ現地にいるなら、その役割も引き受けようという判断だった」と説明している。

エイドリアン・ニューウェイ / アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

AMR26の技術的な噂と現実
AMR26のシャシー詳細はほとんど明らかになっていないが、2026年はチームの成熟度という点ではやや早すぎる可能性があるとも見られている。

ニューウェイは2025年、モナコ、イギリス、カタールの3戦に帯同し、モンテカルロで初めてアストンマーティンとしての現地メディアブリーフィングを行った。

その際、ドライバー・イン・ザ・ループ・シミュレーターの精度不足を明確な弱点として挙げた。

「正直に言えば、いくつかのツールは弱い。特にシミュレーターは相関が取れておらず、大幅な改善が必要だ」とニューウェイは語った。

その後、チームは対策に着手した。

2025年6月には、元レッドブルのジャイルズ・ウッドをシミュレーションおよび車両モデリング責任者として招聘した。

さらに同年11月には、フェラーリ黄金期にシミュレーター開発を主導したマルコ・ファイネッロをコンサルタントとして迎えている。

ドライバーの見解とニューウェイの評価
ランス・ストロールは、2026年開幕時点でアストンマーティンがトップチームとは言えないと率直に語っている。

「正直、まだトップチームになるためのツールは揃っていない。隠すことでもないが、時間が教えてくれる」とストロールは述べた。

一方でニューウェイは、2026年レギュレーションについて「想像していた以上に解釈の余地がある」と評価しており、創造性を発揮できる規則だとの見方を示している。

この発言は、2022年のグラウンドエフェクト導入前と重なり、一部では「新たな抜け道を見つけたのではないか」との憶測も呼んでいる。

ホンダ F1 本田技研工業

ホンダ製2026年F1パワーユニットの現状
2026年は、ホンダにとって技術的にF1へ正式復帰する年となる。

2021年末にワークス活動を終了して以降、2022〜2025年は技術支援に留まっていたため、開発面での遅れは否定できない。

ホンダ・レーシング・コーポレーション社長の渡辺康治は、2025年1月のデイトナ24時間で「開発は非常に難しい」と語っていた。

さらに日本メディアの取材では、「順調でない部分も多い」と率直に認めている。

「アストンマーティンはエイドリアンのビジョンを反映したマシンを作りたい。我々としても、それにどう適応するかが次の課題だ」と渡辺康治は述べた。

圧縮比に関する抜け道が噂された際、ホンダの名前が挙がらなかった点も、出遅れを示唆する材料と受け止められている。

AMR26を駆るのは誰か
AMR26のドライバーはフェルナンド・アロンソとランス・ストロールだ。

アロンソにとって2026年はアストンマーティンでの4年目であり、F1通算23年目のシーズンとなる。

2026年は、ルノーで最後にタイトルを獲得してから20年の節目でもある。

8月には45歳を迎え、契約は2026年末まで。本人は成績次第で引退の可能性も示唆している。

「クルマがうまくいけば、2026年が最後になる可能性が高い」とアロンソは語った。

AMR26の発表日とテスト計画
AMR26は2月9日に正式発表される予定だ。

これはバーレーンで行われる第2回プレシーズンテストの2日前にあたる。

一方で、1月26日から始まるバルセロナでの最初のテストについては、初日を欠席する可能性が高いと報じられている。

ただし、3日間の走行枠自体は消化できる見通しとされている。

AMR26のカラーリング
基本は例年通りブリティッシュ・レーシング・グリーンが基調となる見込みだ。

ホンダとのワークス提携により、白の配色が増える可能性も指摘されている。

1月20日に東京で披露されたホンダのショーカーは、従来とはやや異なる色味のグリーンをまとっていたが、それがAMR26の最終リバリーを反映しているかは不明だ。

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カテゴリー: F1 / アストンマーティンF1チーム / ホンダF1