アストンマーティンF1オーナー 「ホンダとのワークス体制で世界王者に挑む」
アストンマーティンF1は、2026年にチーム史上初めてのワークス体制でシーズンを迎える。その準備が進む中で、チームオーナーのローレンス・ストロールは、明確な目標を改めて口にした──「我々の使命は世界チャンピオンになることだ」。

カナダの実業家であるストロールは、2018年にフォースインディアを買収し、アストンマーティンの名のもとに再編して以降、チームをトップコンテンダーへと押し上げるべく投資を続けてきた。新しいシルバーストーンの本社施設が稼働し、2026年に向けて体制が固まりつつある。

ニューウェイとカルディーレを迎えた技術刷新
チームはこの1年で技術陣を大幅に強化した。中でも最大の注目は、レッドブル黄金期を築いたエイドリアン・ニューウェイの加入だ。加えて、フェラーリから移籍したエンリコ・カルディーレがチーフテクニカルオフィサー(CTO)としてレース週末の指揮を執る。

彼らの参画により、アストンマーティンは空力・シャシー・車体構造のすべてにおいて再構築を進めており、2026年レギュレーション下での競争力強化が期待されている。

ホンダとのワークス提携が生む“完全統合型マシン”
2026年からはホンダが新たにアストンマーティンのワークスパートナーとなり、完全自社開発のパワーユニットが搭載される。これはチームにとって初めての“設計段階から一体化したエンジン”となり、これまでのカスタマー供給とは異なる大きな転換点だ。

ストロールはチーム公式YouTubeチャンネルの中で次のように語った。

「チーム全体がひとつの形になりつつある。来年の大きなレギュレーション変更に向けて本当にワクワクしている。
ホンダがパワーユニットパートナーになり、初めて“ワークスチーム”として活動する。エンジンとパワーユニットを最初から一体として設計できるのは、まったく新しい経験だ」

「とてつもない期待感がある。僕は決してあきらめない。使命が達成されるまでやめない。今回の使命は“世界チャンピオンになること”だ」

アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダ F1

ホンダPUの初期評価とアロンソの意欲
ホンダの2026年型パワーユニットはすでに初期ベンチマークで好調とされており、アストンマーティンの将来に明るい兆しをもたらしている。フェルナンド・アロンソもまた、17年間遠ざかっている3度目のタイトル獲得へ意欲を燃やしており、ホンダとの再タッグによってその夢を再び現実に近づける構えだ。

ストロール体制が築く“勝利のための基盤”
アストンマーティンはここ数年で最先端の新ファクトリーを完成させ、技術・人材・施設の三拍子を揃えた。ニューウェイの参入は他チームにも警戒感を生じさせており、「アストンマーティンが一気に飛躍するのでは」との見方も広がる。

2026年の開幕戦オーストラリアGPで、彼らの新たな挑戦がどこまで実を結ぶのか。ホンダとの“真のワークス・アストンマーティン”のデビューは、F1勢力図を塗り替える可能性を秘めている。

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / アストンマーティンF1チーム / ホンダF1