エイドリアン・ニューウェイ F1モナコGPでマクラーレンMCL39を注視

F1史上最も成功を収めた設計者であるニューウェイにとって、これはアストンマーティン加入後初のサーキット現地視察であり、昨年レッドブルを離れて以来初のレース現場でもある。
66歳のニューウェイは、開幕戦オーストラリアGPの約2週間前に「マネージング・テクニカル・パートナー」という新設ポジションで正式にアストンマーティン入りし、チームの株主にもなっている。現在は2026年のF1新レギュレーション下でのマシン開発を主導している。
今回のモナコ訪問では、これまで数か月にわたってシルバーストンのファクトリーで学んできたアストンマーティンのオペレーションを、実戦で確認する貴重な機会となった。
グリッド上でノート片手に他チームのマシンをじっくり観察するのは、ニューウェイの“お家芸”とも言えるルーティンだ。PlanetF1.comの現地記者トーマス・マーは、決勝直前にオスカー・ピアストリの駆るマクラーレンMCL39に目を留め、興味深そうに眺めるニューウェイの姿を捉えたという。
その後、ニューウェイはレッドブルF1のチーム代表クリスチャン・ホーナーと談笑する姿も見られた。両者はレッドブル在籍時代、約20年にわたって共に成功を築き上げてきた間柄だ。なおホーナーはモナコGP週末の早い段階で、「ニューウェイがアストンマーティンの緑の制服を着ているのを見るのはまだ慣れない。まるで“巨大な鼻くそ”みたいだ」とジョークを飛ばしていた。

マクラーレンMCL39は今季8戦中6勝を挙げており、多くのF1技術者やライバルチームの関心を集めている。マイアミGP後にはFIAによる徹底的な車体検査が行われたが、技術規則に完全準拠していることが確認された。
PlanetF1.comによるザク・ブラウンCEOの独占インタビューでは、ライバルからの“技術的トリック”疑惑について尋ねられたが、同氏は一蹴している。
「気にしていない」とブラウンは語り、こう続けた。
「探してもらってかまわない。見つかるのは、ただマクラーレンの素晴らしい男女スタッフが作り上げた、良いレースカーだけだ。みんな本当によくやっている」
「マシンのどこかに“魔法の弾丸”があるわけじゃない」
「でも他のチームがそれを信じて探し続けるなら、それはそれでいい。そんなゴーストを探すのに時間を費やすより、自分たちのクルマを開発する方が建設的だと思うけどね」
「何もないものを見つけようと必死になるのなら、それはむしろ我々にとって都合がいいよ」
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