アンドレッティ F1側の参入拒否への反米的偏向をザク・ブラウンが否定
アンドレッティに対するF1の姿勢をマクラーレンのCEOであるザク・ブラウンが擁護。反米的偏向の噂を否定するとともに、ウィリアムズの価値を15億ドル(2358億円)と評価した。

アンドレッティの騒動にワシントンが関与している今、F1がその決定を擁護し続けることで、事実上、がっちりと守りを固めているという結論が導き出されるかもしれない。

FIA会長のモハメド・ビン・スライエムもF1側の方針に乗ったように見える今、アルピーヌとともにアンドレッティの11番目のチームとしてF1参戦を支持していた唯一のチームであるマクラーレンのザク・ブラウンもそれに追随しているようだ。

マイケル・アンドレッティのF1チームの参入阻止が独占禁止法違反に当たるかどうかの調査をジョー・バイデン政権に求める声や、「外国の自動車メーカー」が結託してこのアメリカの自動車メーカーの参入を阻止しようとしているとの指摘がある中、ザク・ブラウンは反米的な偏向が働いていることを否定している。

「F1には反米文化など全くないと思う」とザク・ブラウンはESPNに語った。「このスポーツを見てみると、ヨーロッパのメーカーもいるし、北米にはフォード、日本にはホンダがいる。つまりF1はは極めてグローバルだ」

「世界のどの地域に対しても、偏向や否定的な態度を目にしたことは一度もない。F1には世界全体が参加している」

「アメリカに関して言えば、リバティはアメリカだ。我々はアメリカでのレースを1つから3つに増やした。これまでに行った中で最大の投資額となるラスベガスでのレースも含まれる」

「最近このスポーツに参入したフォードがある。このスポーツのトップチームの一つを運営しているのは私だ。Netflixは世界的に、特に北米でこのスポーツに素晴らしい貢献をしてきた。そして今、その最後を飾るのはブラッド・ピットです。彼は米国を拠点とした世界規模の映画を制作する予定で、このスポーツに素晴らしい貢献をしてくれるだろう」

「リバティがスポーツのために成し遂げたことは素晴らしいと思う。スポーツのために何をすべきかを考えてみると、コスト管理が必要だった。今、我々はそれを実現し、F1史上最も接近したグリッドを実現している。」

「私はそのフラストレーションに同情する。だが、『F1はアメリカを歓迎していない』という話は…問題の根源がアンドレッティとF1の間の価値付加から移ってしまったのは残念だと思う」とザク・ブラウンは付け加え、アンドレッティの入札が拒否された理由の一つとしてF1マネジメントの主張に言及した。

実際、ザク・ブラウンによれば、「付加価値」という主張は、リバティ・メディアの所有と経営下にあるこのスポーツの地位を象徴するものだという。

「歴史的に見て、F1は参加して、出場するだけで、1年の半分を終えられなくてもスポーツ界は気にしなかった。過去にはローラがチームを立ち上げて、3レース後に倒産したこともあった」

「リバティは現在、非常に健全な10のチームを抱えている立場にあると思うので、11番目と12番目のチームに極めて高い基準と徹底したデューデリジェンスを適用するだろう。それは正しいと思う」

そして「非常に健全なチーム10チーム」という主張をについてザク・ブラウンは次のように続けた。

「以前は、翌年に倒産するチームが必ずあった」

「今ではグリッドの半分以上が黒字だ。そして、これらのフランチャイズ価値を考えると、ウィリアムズは1億5,000万ドルで買収されたと思うが、5年後にそのチームを10億5,000万ドル以下で買うことはできないだろう。つまり、価値創造は計り知れないほど大きかったのだ」

マイケル・アンドレッティ F1かつてはインディ500でアンドレッティと共闘したザク・ブラウン

スペアカーがなかったためにオーストラリアグランプリからドライバーの一人を撤退させなければならなかったチーム、それがウィリアムズだ。

クリスチャン・ホーナー(レッドブル)、トト・ヴォルフ(メルセデス)、ブルーノ・ファミン(アルピーヌ)、アルンニ・ブラビ(ザウバー)、フレデリック・バスール(フェラーリ)、そしてベン・スレイエムと同様に、ザク・ブラウンは既存のチームを買収することが答えだと考えている。

「確かに、それが一番簡単なことだろう」とザク・ブラウンは語る。

「今のところ、売りたい人は誰もいないようだが、それは単にオファー額をもっと大きくする必要があるということだ。常に数字はあるが、私が見た限りでは、玄関に『売り物』の看板を掲げている人は誰もいない」

ザク・ブラウンはまた、マリオ・アンドレッティが示唆したように、アンドレッティに関しては既存チームが結託しているという主張を強く否定した。

「同じような意見がたくさんあるのは、同じような意見が集まる話題だからだ」とザク・ブラウンは語った。

「チームを組んだからというわけではないと思う。クリスチャン・ホーナーとはしばらく話をしていないのはご想像のとおりだ!」

「NFL、MLB、NBAで話題になったことを考えてみよう。もし、そのスポーツに携わる人全員が同じような意見を持っているとしたら、それは彼らが協力したからではない。それは一般的な意見なのだと思う」

「『26レースを開催すべきか?』と問えば、10チームが『26レースを開催すべきではないと思う』と答えるだろう。それは我々が協力したからではな。各チームの一般的な意見に過ぎない」

「だから、大多数のチームが見解に何らかの共通点を持っているというのは、彼らの見解であり、誰もが同じような考えで同じような結論に達しているということ以外の何ものでもないと思う」

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カテゴリー: F1 / アンドレッティ