F1はアンドレッティの参戦阻止で「チームを守った」とシュタイナー
アンドレッティの2028年以前の参戦を阻止したF1の決定は、競争力のないチームを抱える余裕はもはやないほどスポーツが健全であることを示しているとハースF1の元チーム代表であるギュンター・シュタイナーは、語った。

F1は水曜日、2025年または2026年にグリッドに加わるというアンドレッティとキャデラックの共同入札を拒否したが、ゼネラルモーターズ(GM)が自社エンジンの製造計画を実行に移せば、2028年への扉は開いたままとした。

アンドレッティは、レギュレーションが大幅に見直される前年にもかかわらず、早ければ2025年にもルノーエンジンを搭載してレースに参戦できると話していた。しかしF1は、そのような形で参戦することが本当に競争力を持つのかどうか疑問視している。

F1はこのことを決定の理由に挙げ、来年参戦する意思があることが「挑戦の範囲についての理解を疑う理由」になると付け加えた。

1月初めにハースを去ったシュタイナーは、この決定が公表された直後、ESPNのポッドキャスト『Unlapped』でアンドレッティの件について語った。

「彼らはそれを見て、野心的すぎると思ったのだろう」とシュタイナーは語った。

「私はすべての情報を持っているわけではない。たぶん、彼らはそれを見て、我々は彼らが欲しいが、彼らが来たときに成功することを確認し、彼ら自身から守りたいと思ったのだろう」

「F1はすべてのチーム、このスポーツに関わるすべての人を守っていると思う。2028年は新しい日、新しい年であり、数年先のことで、明日ではないが、ドアは開いている。それまでに準備を整え、競争力を発揮できることを見せてくれれば、歓迎すると思う」

シュタイナーはこの決定を、サッカーには競争力のないチームを罰する降格などのセーフガードがあるが、F1には存在しないと例えた。

「(チームの)理想的な数というものは存在しない。11チームや12チームという競争力の高いチームがあるのは悪くないが、商業的な側面もバックアップする必要がある。チーム数が増えるだけで、より多くの人とお金を分け合う必要が出てくる。人が増えるとお金が増えて、全員の利益が減る。そうなると、たとえ12チームの競争力があったとしても、資金が足りずに後退してしまうチームも出てくる。しかし、ライセンスを持っているので、許可できないとは言えず、その人たちを引き留めておかなければならない」

「F1には降格制度がない...サッカーとは違うんだ。サッカーでも努力と経済的余裕がなければ、降格させられる。それが運命だ。だが、F1では、一度入れば、そこにとどまる権利がある...永遠なんてものはないのだから、永遠ではないが、長い間いることができる。それが難しいところだ」

シュタイナーがかつて所属していたハースF1チームは、2016年にグリッドについたばかりのF1新参チームだ。8位以上になったのは1度だけで、2023年には最下位に沈んでいる。

マイケル・アンドレッティ F1

ハースF1チームのデビュー以来、F1は変化した。チームは現在、年間予算の上限に拘束されている一方、風洞開発に関するルールがあり、チャンピオンは翌年、最も少ない時間しか割り当てられず、その逆もまた然りだ。

それを念頭に置きつつ、F1がいまだに世界的な人気沸騰を経験している今、シュタイナーは、ハースが加入して以来、新チームがもたらすべき期待値が劇的に変化したと語った。

「私たちが加入した当時は、そもそも今とはまったく異なるF1だった。2016年に参入したときは、(他の)バックマーキングチームがいた時代だった。それほど速くないチームが存在することは予想されていたし、今入ってくるどのチームよりもプレッシャーは少なかった」

「今はどのチームも競争力があり、どのチームも安定している。我々が入ってきたときは、(新しい)チームが必要だった。だから、まったく違うシナリオだった。 特に予算上限が設けられた今、最初の1、2年は誰よりもお金をかけて競争力をつけようと思っても、それはできない。他のチームより多くのことをすることはできない。他が持っている経験だけがない」

「だから、とてもとても難しい。不可能だとは言わないが、もし今、F1に入りたいのなら、チームを率いて準備を整え、F1に入ったときにF1で要求されるだけの競争力があることを確認する必要がある。現在F1では必須とされている」

「今は弱いチームなんてない。非常に競争力がある。失敗は許されない。FOM(フォーミュラワン・マネジメント)は誰も失敗を許さない。だから、失敗しないことを100%証明する必要がある」

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カテゴリー: F1 / アンドレッティ