アルピーヌF1の迷走にロズベルグが警笛「ブランドとして逆マーケティング」

アルピーヌは現在、2025年シーズン開幕12戦でわずか19ポイントしか獲得できず、コンストラクターズ選手権で最下位に沈んでいる。
さらに舞台裏では体制の混乱が続いており、ルノーはCEOルカ・デ・メオがその職を辞任することを正式に発表している。
2016年のF1ワールドチャンピオンであるロズベルグは、「安定性の欠如がアルピーヌにとって打撃になっている」と語り、現在の競争力不足が「ブランドを傷つけている」と警告した。
「チームのパフォーマンスにとって、安定性がいかに重要かは我々も知っている」とロズベルグはSky SportsのF1番組で語った。
「それはフェラーリの弱点の一つでもある。ここ数年で何度もリーダーシップのポジションが変わっているのに対し、メルセデスに行けば、15年前の僕の在籍時と同じ主要人物がいまだに多くの重要な役割にいる。それは本当に素晴らしいことだよ。継続性があり、同時に若い才能も育っている」
「そしてアルピーヌ… 僕がメルセデスにいた頃、僕らが最後尾を走っていた時代、彼ら(ルノー)は毎週のようにF1から撤退しかけていた。なぜなら莫大な費用をかけていながら、ブランドにとってマイナスのマーケティングになっていたからだ。最下位を走っていることが、アルピーヌやルノーのブランドを傷つける“逆マーケティング”になっていたんだ」
さらにロズベルグは、自動車業界全体の動きがチームに与える影響についても指摘した。
「自動車業界の厳しい環境の中で、販売台数が激減している。EV(電動モビリティ)への移行は苦戦していて、中国勢がどんどんシェアを拡大している。テスラもシェアを奪っている」
「そして最初に削られるのがマーケティング予算であり、F1チームの活動もその中に含まれる。だから我々は、今後の新たなリーダーシップのもとで、彼がF1推進派なのか反対派なのか注視する必要がある。とても難しい局面だ」

アルピーヌF1チームは売却されるのか?
デ・メオはこれまでF1チームを売却しないと明言していたが、彼の退任によってその方針が変わる可能性はあるのだろうか?
Sky Sportsのテッド・クラビッツは次のように語った。
「フラビオ(・ブリアトーレ)はこう言うだろう。『これはルノーにコストをかける必要はない』と。F1は、ホールディング会社にとって一切のコストを発生させない形にすることが可能なんだ。予算上限制度と分配金のおかげで、実質的に収支トントンになる」
「BWTをはじめとするアルピーヌのスポンサーがいる中で、コストを適切に管理できれば、フラビオはさらにスポンサーを連れてくると約束していて、そうすれば収支は均衡する」
「彼は新たなCEOに対して、F1チームの維持が可能だと説得したいと考えているだろう」
「今後も“アルピーヌ”というブランド名を使い続けるのか、それとも“ルノー”に戻したほうがいいのか、そこも議論の対象になるはずだ」
「彼らは2026年にはメルセデス製パワーユニットを搭載する予定で、成績改善の可能性がある転機に差しかかっている。だからルノー・グループとしては、2026年を見届けてから判断するのが賢明だろう」
「ただし、売却の可能性がゼロというわけではない。F1チームを買いたがっている投資家は実際にいるからね」
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