フェルナンド・アロンソ F1レース短縮案に「誰も60分のサッカーは提案しない」
フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は、F1イタリアGP木曜会見に出席し、今季序盤から大きな進歩を遂げたマシンの手応えやシーズン終盤戦への展望を語った。

序盤はポイント獲得に苦しんだが、直近9戦で7度のQ3進出を果たし「今はミッドフィールドで戦える」とアロンソは改善を実感している。22回目のモンツァ参戦に際しては、安全性の向上により「昔のような恐怖やスピード感を味わうのは難しくなった」と振り返った。

一方で議論を呼ぶレース距離短縮案については「誰も60分のサッカーを提案しない」と断言し、伝統を守るべきだと強調。「レースが長いからこそ戦略の自由度があり、給油の復活こそ理想」とも語り、現行フォーマットの意義を改めて訴えた。

序盤戦を振り返りアロンソは「僕の初ポイントは第8戦か第9戦だった。序盤はトップ10で戦えるクルマではなかったが、今はミッドフィールドで戦ってポイントを獲得できるようになった。直近9戦で7回Q3に進んでいるし、空力面で大きく改善されて安定して走れるようになった」とマシンの進化を強調。残り9戦については「シンガポールやブラジルはハンガリーやザントフォールトに似ているかもしれないが、サプライズは常にある。特定のレースに期待をかけず、毎戦全力を尽くす」と冷静に語った。

フェルナンド・アロンソ F1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

また、22回目となるモンツァでの経験については「昔はほとんどリアウイングがなく、ストレートで浮いているような感覚だった。完全にコントロールできている気がしなかった。でも今はハローやハンスがあって安全性が増した分、危険や恐怖を感じにくくなった。以前はモンツァに来るとスピードとアドレナリンを強烈に感じられたが、今はそれを味わうのが難しい」と、時代とともに変化する走行体験を振り返った。

一方で注目を集めたレース距離短縮案については「スポーツを変える必要はないと思う。僕もサッカーをテレビで観る時に90分集中しているわけじゃない。途中で席を立ったりもする。でも誰も60分のサッカーを提案していない。問題は社会や子どもの集中力であって、F1ではない」と断言。さらに「レースが長いからこそ戦略の自由度がある。スプリントのように短いと挽回の時間がなくなる。僕は理想は給油の復活だと思う。燃料搭載量を自由に選べれば戦略が一変し、もっと面白いレースになる」とアロンソは持論を展開した。

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カテゴリー: F1 / フェルナンド・アロンソ / F1イタリアGP / アストンマーティンF1チーム