ピレリ F1イギリスGP
ピレリが、2013年 第8戦 F1イギリスGPが開催されるシルバーストン・サーキットでのレースをタイヤメーカーの観点から解説した。

ピレリは、P Zero オレンジ・ハードとP Zero ホワイト・ミディアムをイギリスGP開催の地、シルバーストンへ持ち込む。イギリスGPは、ピレリにとって第二のホームレースとも言えるグランプリで、ディドコットにあるピレリのイギリス流通ハブは、ノーサンプトンシャーのシルバーストンから車で1時間もかからない距離に位置している。

金曜日に行われる2回のフリー走行での限定使用として、スペインでも登場したプロトタイプのハードタイヤがマシンあたり2セット供給される予定。

近年、大規模な改修を重ねたこともあり、シルバーストンは、F1カレンダー中で最も歴史があり、最も高速なサーキットのひとつとなっている。高速コースレイアウトのため、タイヤには大きな負荷がかかり、摩耗とデグラデーションへ影響を及ぼしている。過去のレースでは、各チームがトラック上のアドバンテージを得るために戦略を駆使し、多様な戦略が展開される中で僅差のフィニッシュが見られている。

ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
「シルバーストンは、平均スピードが非常に高く、流れるような連続コーナーなどを特徴とし、3週間前のカナダ(ストップ&ゴータイプのサーキット)とは非常に対照的です。カナダ同様、タイヤに負荷がかかるサーキットですが、その理由は大きく異なります。我々は、今回のイギリスGPに、トレッドとスチールベルトを繋ぐ接着工程に変更を加えた最も硬いコンパウンドの組み合わせを持ち込みました。この変更は、デラミネーション問題への対策として設計され、満場一致の合意を得たものです。しかし、我々は近い将来必要とされる変更の可能性に対してもスタンバイしています。シルバーストンのフリー走行では、今シーズン、以前にも登場したことのあるプロトタイムのハードタイヤを持ち込みます。タイヤ構造に変更はなく、現在のハードタイヤよりも耐久性の向上を狙っています。スペインGPでのフリー走行では、各チームが十分に試す機会を得られませんでしたので、より多くのデータを収集するために、異なるサーキットで新型コンパウンドをテストする機会を設定したのです。もちろん、シルバーストンでのもうひとつの重要な要素は、変りやすいことで悪名高いブリティッシュウェザーです。Cinturoto グリーン・インターミディエイトとCinturota ブルー・ウェットが登場する機会もあるかもしれません。したがって、決勝でのピットストップ回数を予測することは極めて困難です。昨年、ウェットコンディションの2日間を経た後のドライコンディションの決勝では、2ストップ戦略が見られました。しかし、今年のコンパウンドは軟らかくなっているため、もしドライが続けば、3〜4ストップになる可能性があります。フリー走行後、より正確な予測を立てられると思います。最後に、最も重要なことですが、先週末のル・マンでの事故で亡くなったアラン・シモンセンのご家族とご友人に謹んでお悔やみ申し上げます。我々は、長年に渡ってアストンマーチン・レーシングのパートナーでした。彼らの辛い心中をお察しいたします」

ジャン・アレジ (ピレリ・ブランド・アンバサダー)
「シルバーストンでは、常に天候に気をつけなければなりません。何が起きても不思議ではなく、ウェットとドライが混在することもあります。足下にも気を配る必要があります。シルバーストンは、タイヤに厳しいサーキットです。それは、トラクションとブレーキングによるものではなく、非常に高速なため、常にマシンを抑えるける高いレベルのダウンフォースによるものです。この点がタイヤを摩耗させるため、ハードとミディアムは理想的な選択だと思います。ドライバー時代、コースに改修が加えられる中、何度もシルバーストンの表彰台に上り、常にエンジョイしていました。最も新しい改修でもある新しいピットコンプレックスは、とても素晴らしい投資だと思います。しかし、個人的には、魅力的なチャレンジの場であったブリッジコーナーが無くなったのは残念です。いかなる場合においても、シルバーストンは真のドライバーズサーキットと言えるでしょう。したがって、興味深い戦略と良いレースが期待できます。イギリスのダンは、F1に関して知識が豊富で情熱的なため、ここを訪れることは常に楽しみです。ここには、誰もが賞賛するイギリスの真のモータースポーツ文化が存在しています」



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カテゴリー: F1 / ピレリ / F1イギリスGP