MotoGP オーストリアGP
MotoGP 日本GPからの連戦となる第16戦オーストラリアGPが、10月21日(金)〜23日(日)の3日間、フィリップアイランド・サーキットで開催される。

一周4.4kmのフィリップアイランドは、高速コーナーが連続するレイアウトで、シーズンを通して高いアベレージスピードの高速サーキットの一つ。アクセル全開で走る割合が多いので、エンジンの性能差がほとんど出ない。

また、こうした特徴により、スリップストリームを使い合うことになるため、毎年し烈なバトルが繰り広げられる。今大会も壮絶な優勝争いとなることが予想される。

前戦日本GPでは、マルク・マルケス(Repsol Honda Team)がシーズン11回目の表彰台に立ち、シーズン5勝目を獲得。2年ぶり3回目のシーズンタイトルを勝ち取った。今年は第14戦アラゴンGPを終えて8人のウイナーが誕生し、競争の激しいシーズンとなっていた。その厳しい戦いの中で、マルケスは安定したリザルトを残し、アラゴンGPから2連勝を達成。シーズン5回目の優勝で、タイトル獲得を決めた。

シーズン13回の最多ポールポジションと最多優勝記録を樹立した2014年は、圧倒的な強さをみせて日本GPでタイトル獲得を決めた。今年は、レギュレーションの変更でタイヤがブリヂストンからミシュランに代わり、全メーカー、全選手が一からのスタートとなる波乱含みのシーズンだった。その中でマルケスは、RC213Vが持つパフォーマンスを着実に引き出し、ホンダのホームレースとなる日本GPでタイトルを決めた。

この優勝でホンダは、最高峰クラスで2年ぶり通算22回目のコンストラクターズタイトルに王手をかけた。また、Repsol Honda Teamもチームタイトルに王手をかけた。

日本GPはダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)がケガのために欠場。急きょ、青山博一が代役出場して1ポイントを獲得した。今大会は、03年から08年までRepsol Honda Teamに所属し、Honda World Superbike Teamからスーパーバイク世界選手権に参戦するニッキー・ヘイデンが代役として出場する。ホンダ時代には、フィリップアイランドで3回の表彰台に立っているヘイデン。Repsol Honda Teamとしては8年ぶりのオーストラリアGPとなるが、代役出場に闘志をかき立てている。

これまで苦手としていた日本GPを予選5番手、決勝5位で走ったカル・クラッチロー(LCR Honda)は、得意とするオーストラリアGPに気合を入れている。日本GPでもコースアウトがなければ表彰台争いに加われただけに、その悔しさをフィリップアイランドで晴らす意気込みだ。昨年の大会は予選5番手、決勝7位。今年は12年大会以来の表彰台獲得を目指す。

MotoGP2年目のジャック・ミラー(Estrella Galicia 0,0 Mark VDS)は、ホームレースとなるオーストラリアGPに気合を入れている。ルーキーだった昨年は15位という不本意なリザルトだったが、今年はオランダGPの優勝ライダーとしての凱旋。前戦日本GPを転倒でリタイアしてしまっただけに、大好きなサーキットの一つであるフィリップアイランドで今季2度目の表彰台を目指す。チームメートのティト・ラバトは、MotoGPで初めてのオーストラリアGPを迎える。Moto2クラスに参戦していた昨年はケガのため欠場しているので、2年ぶりのオーストラリアGPとなる。

マルク・マルケス(MotoGP 総合1位)
「チャンピオンシップのプレッシャーがなにもない状態でフィリップアイランドへ来られるのは最高の気分です。このサーキットはオースティンやアラゴンと同じように大好きなサーキットの一つです。高速で流れるようなレイアウトで、走っていてとても楽しいです。注意しなければならないのは天候です。この時期は、とても寒くて風も強く、特に最終ストレートではそれを強く感じます。なるべくマシンが安定するようなセットアップを見つけなければなりません。最終戦まで、なるべく多くのレースで勝てるようにがんばりたいと思います。また、コンストラクターとチームのチャンピオンシップのことも考えなければなりません」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 総合5位)
「手術のあと、数日間は強い痛みに襲われました。でも今は少しずつよくなってきています。すでに退院して、これから診察を受けることになります。それで回復状況や、いつマシンに戻ることができるかがもっとよく分かると思います。また、タイトルを獲得したマルクとHondaにおめでとうと言いたいです」

カル・クラッチロー(MotoGP 総合7位)
「フィリップアイランドでいいレースをすることが目標です。失うものはなにもありません。ほかのみんなも同じ状況です。天候があまりよくなければ今週末は大変なレースになると思います。路面温度も問題になります。天候次第ではどんな展開も起こり得ます。そのためどのようなことにも対処できるように準備しなければなりません。ここまでチーム、そしてHondaとともに、とてもいい仕事をしているので楽しみにしています」

ジャック・ミラー(MotoGP 総合18位)
「母国へ向かい、地元ファンの前で走るのをとても楽しみにしています。今年はMotoGP第8戦で優勝したライダーとして戻ることになるため、余計に特別な気持ちです。日本GPは難しいレースになりました。今週はその分を取り戻したいです。フィリップアイランドは大好きです。限界までプッシュできるために、いい状態を見つけられることを願っています。昨年はオープンクラスのマシンでいい走りができたと思います。後半戦に入って厳しい状況が続きましたが、ここからいい方向に転換させたい気持ちです。ホームレースはいつもよりプレッシャーがあります。でも、多くのファンが見に来てくれるというのは、とてもいい気分です。オーストラリアのファンのためにいい走りができることを願っています」

ティト・ラバト(MotoGP 総合20位)
「フィリップアイランドが大好きなサーキットの一つなのは僕だけではないと思いますし、楽しみにしています。日本GPは簡単ではありませんでした。しかし、集中力を維持して全力でプッシュしました。ポイント圏内に戻ることができたのは重要なことです。目標はいつもと同じで、すべてのセッションで自信とリズムをつかみ、楽しむことです。2月にはフィリップアイランドでテストしているので、そのときのデータを比較したり検証したいです」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 総合26位 代役出場2戦目)
「まず、ダニの幸運を願っています。ダニは、これまでのように強くなって戻ってくるに違いありません。今回の出場は、僕にとってはクレイジーなハードワークですが、チャンスでもあります。Repsol Honda Teamでタイトルを獲得してから10年になります。ファクトリーのHondaとフィリップアイランドで仕事をすることは考えただけでもかなり感動的です。このような機会を与えてくれたこと、そして信頼してくれたことに本当に感謝しています。また、現在のチームとスポンサーにもチャンスを与えてくれたことに感謝しています。これを実現するためにみんなが一生懸命がんばってくれたので、今は飛行機に乗ってフィリップアイランドへ行くことを楽しみにしています。チームのためにいい仕事ができることを願っています。フィリップアイランドでは常に2つのことに気を付けなければなりません。天候とタイヤです。でもこのサーキットは大好きで、とても楽しみです。金曜日の午前中からがんばって前に進みたいと思います」

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カテゴリー: F1 / MotoGP