小林可夢偉
小林可夢偉が、F1日本GPの週末を振り返った。

ザウバーは、鈴鹿に今シーズンの最終アップデートを投入。金曜日は新しいパーツの評価で忙しい一日になった。

「今回は大きな車体のアップデートをぶっつけ本番で入れたので、金曜日の走りはじめのバランスはアンダーとかオーバーとか言えるような状態ではなかったんですけど、午後のセッションは結構よかったんです」

土曜日は、金曜日のセッティングに戻したという小林可夢偉。予選では5戦ぶりのQ3進出を果たし、チーム戦略の助けもあり、自己最高位となる7番グリッドを獲得した。

「ただセッティングっていうのはやっぱりすごく難しくて、土曜日の朝に向けてちょっと替えたんですけど、結局予選では金曜午後の状態に戻しました。そうしたら予選ではタイヤをきちんと温めることができたし、ポン、ポンとタイムがでたので、アタックには文句はないです。チームも戦略的な部分で助けてくれたし、自分もミスなくこれて久々にいい予選でした」

上位グリッドからのスタートで期待が高まった決勝レースだが、スタートでアンチストールが作動。中盤でのレースを強いられる。

「決勝レースは、オプションタイヤでスタートして攻めるレースをするつもりだったんですけど、スタートでポジションが落ちてトラフィックの中を走るしかなかったです。スタートはリアクションとかすべてがドンピシャだったんですけど、アンチストールモードに入ってしまいました」

だが、小林可夢偉にとって悪いタイミングでセーフティカーが入り、戦略に妥協を強いられることになる。

「そのあともう一度オプションを履いた第2スティントは長く走る予定だったんですけど、セーフティーカーが入ってしまって、プライムに履き替えるしかなかった。これがまだ、レース前にチームとミーティングしたとき、一番セーフティーカーに入って欲しくないと言っていたタイミングでどうしようもなかったです」

「最後にもう一度オプションを履くということも考えましたが、セーフティーカーのせいでリードしていた分を失ってしまっていて、なんとかチェッカーを目指すしかなかったですが、最後の5、6周はタイヤが終わってました。ただ予選は良かったし、レース中のバランスもとれてきたから、いい光が見えてきたかなと思います。次の韓国から必ず巻き返します」

「今年の鈴鹿もたくさんのファンの方が見に来てくれて、みなさんの声援がすごく力になりました。今回はこのような結果になってしまいましたけど、来年こそ去年よりもいいレースが見せられるように頑張りますから、ぜひまた鈴鹿に来て楽しんでもらえたらと思います」

小林可夢偉は、今回のF1日本GPに東日本大震災の被害を受けた福島県南相馬市を中心に活躍する少女合唱団「MJCアンサンブル」のメンバーとその家族及び関係者の約60名を招待した。

「そしてなによりお礼を言いたいのが、MJCアンサンブルのみんなです。福島から来てくれて本当にありがとう。世界一の歌声でした。みんなとお別れする朝にも伝えたけど、パドックのいろんな海外の人たちが素敵だったと言ってました。先生や先生の奥さんをはじめ関係者やご家族のみなさんも本当におつかれさまでした。今回の国歌斉唱が、みんなにとって人生にひとつの思い出になっていたらなと思います」

「じつは最後にビリーブという曲を歌ってくれたとき、本当は泣きそうだったんだけど、みんなが笑顔だからグッとこらえました。やっぱり笑顔が一番だよね。ぜひ来年も会えたらと思います。それまで僕もみんなと一緒に戦うから、まかしといてください!!」

小林可夢偉 MJCアンサンブル 小林可夢偉 F1日本GP

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カテゴリー: F1 / 小林可夢偉 / ザウバーF1チーム