新井康久 (ホンダF1)
ホンダのF1プロジェクト総責任者を務める新井康久が、マクラーレンとの2シーズン目となる2016年への期待とホンダの計画について語った。

今年、パワーユニットはどれくらい進歩しますか? 昨年のように段階的ですか? それともビッグステップを果たしますか?
我々はいくつかの問題を抱えています。ひとつは信頼性、もうひとつはデプロイメントです。コンセプトはフィックスしていますし、今はMGU-Hとターボをテストしています。

ですが、同時に信頼性を確認するための時間も必要です。(2015年と2016年の間には)3ヵ月ありますが、どのように進んでいるかを確認するにはもう少し時間が必要です。

現在のレギュレーションは、改善するのを難しくしていますが、冬の間に成し遂げられることに制限があると感じていますか?
トークンシステムは、開発できるエリアを制限するので、コストを削減するには良いシステムです。ですが、大きなギャップがある場合、キャッチアップするのは非常に難しいです。ですが、我々は他のサプライヤーやFIAとそのことに協議しており、来年は同じトークン数を与えられます。それは全員にとって十分な数だと思います。なので、今は大きなアイテムを変更するのはそれほど難しくはありません。

独自のデザインを捨てられるなら、あなたは“サイズセロ”デザインで進みますか? それとも、異なるパワーユニットの方がポテンシャルがあると思いますか?
サイズゼロは、マクラーレンと話し合って確定させたレイアウトでしたが、ホンダは多くの市販車を生産していますし、我々には“Man maximum , machine minimum”というモットーがあります。それが我々の基本哲学であり、我々はそれを実行しています。

より大きなターボを設置するためにVのレイアウトを変更するつもりですか?
そのような大きな変更はありません。今まで通りコンパクトなレイアウトですが、より大きなサイズのターボチャージャーが必要なことはわかっています。コンセプトはキープしますが、キャンバー内を変更、もしくはパーツを小さくすることが大きな目標です。

ターボを効率的にするにはサイズが最大の問題でしたか? それとも他の問題もありましたか?
サイズが非効率性に繋がりました。サイズが小さいため、エンジンが高圧な空気を必要としました。それによって12000rpmという高い回転が制限されました。メルセデスは、モンツァでパワーユニットをアップデートした際、パフォーマンスの改善を助ける新しい燃料を持ち込みました。

パフォーマンスを改善するためにMobil 1とどれくらい密接に働いていますか?
とても密接に働いています。我々は直接Mobil 1と議論しています。もちろん、大きなパートナーのひとつですが、R&D側 - 我々のR&DとMobil 1のR&D - で非常に重要な議論をしています。かれれは何がベストで最高のソリューションであるかを理解するために何種類もの燃料を作り、我々は何度もそれをテストしました。毎日、毎週、毎月、我々はそれを続けています。

そこはまだポテンシャルや明白な改善のあるエリアですか?
そう思っています。燃料開発の最初は、急な改善カーブでしたが、今は少し横ばいになっています。他チームの全てが似たような問題を抱えていると思います。現在、燃料は非常に洗練されていますが、今後まだ改善の余地はあると確信しています。馬力を向上させるには燃料パフォーマンスをプッシュし続けることが重要なので、我々は努力を続けていきます。

メルセデスに挑戦して、勝つためにF1にやってきました。最初に入ったときよりも、そこにたどり着くには時間がかかると感じていますか?
正直、まだ離されています。ですが、ライバルをウォッチし、常に追いつきたいと思うべきです。そのために我々は頑張って仕事をしています。

現在いるポジションを考えて、来シーズンにむけての現実的な目標は?
メルボルンまでにERSの問題、それに信頼性の問題も解決したいと思っています。それは技術的な部分です。チームとして、本当に正直に言えば、我々はQ3に入りたいと思っています。それが正直なところです。

表彰台と勝利にについて話せるまで2年間だと感じていますか? それともさらに長くかかりますか?
(2015年の)冬季テストまで、私は表彰台について話していましたよね。みんなが、私はビッグマウスだと言っていますよ!表彰台に着けることを願っていますが、今はそれがいつで、どのレースになるかは言えません。私だけでなく、全員が良いポジションにいることを願っています。なので、最初のステップはQ3に到達することです。それが最初の一歩です。

2016年に何が励みになりますか?
他チームと競争して、ファンや投資家を励ますことです。チーム内で我々のチームは他チームと戦いたいと思っています。

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / マクラーレンF1チーム