ホンダF1 中断期間の検証で振動問題改善「方向性に確信を得た」

シーズン開幕当初、ホンダがアストンマーティンに供給する新型パワーユニットは、50対50ハイブリッドシステムのバッテリーに起因する激しい振動が課題となっていた。
エイドリアン・ニューウェイが設計したAMR26にも影響を及ぼし、フェルナンド・アロンソは中国GPで振動を理由にリタイアを喫するなど、チームは厳しい戦いを強いられていた。
中東2戦中止で得られた開発時間
サウジアラビアGPとバーレーンGPが中東情勢の影響で中止となったことで、F1は約5週間の中断期間を迎えた。折原は、この期間にはメリットとデメリットの両方があったと振り返る。
「2戦が中止になったことには良い面と悪い面がありました」
「悪い面は、エネルギーマネジメントや冷却水の信頼性など、現場で学ぶ機会を失ったことです。サーキットで得られる経験は非常に重要です」
一方で、中断期間があったことで、鈴鹿戦後に実戦車両をホンダのさくら開発拠点へ持ち帰り、通常では難しい大規模な検証を実施することができたという。
「一方で良かったのは、鈴鹿のあとにアストンマーティンのレースカーをさくらへ持ち帰ることができたことです」
「もしその2レースが開催されていたら、レースカーをさくらへ持ち帰るのは非常に難しかったでしょう」

実車テストで改善への手応え
折原によると、ホンダは鈴鹿の時点ですでに振動問題を改善するアイデアを持っていたが、中断期間を利用して実車による検証を重ねたことで、その方向性に確信を得ることができた。
「その時点ですでに振動問題を改善するアイデアはありました。しかしマシンをファクトリーへ持ち帰れたことで、そのアイデアを試験し、多くのデータを得ることができました」
「振動レベルが下がっていることを実感しました。私自身や他のエンジニアもテストベンチ上のマシンに乗り込みました。そしてテストで得られた多くのデータによって、自分たちの方向性に確信を得ることができました」
その結果、ホンダはマイアミGPに向けて大規模な対策を投入する準備を進めることができたという。
「その後はマイアミに向けた新しい対策の準備に集中することができました。大きな変更を加えたため、スケジュールは非常にタイトでした」
AMR26とパワーユニットの改良を継続
振動問題は日本GPまでに大きく改善され、アロンソも完走を果たすなど一定の成果が現れた。現在もホンダとアストンマーティンはAMR26のアップデートと並行して改良を続けており、FIAのADUO制度によるパワーユニット性能向上も視野に入れながら競争力の底上げを目指している。
折原は、中東2戦の中止による中断期間は現場で学ぶ機会を失うというデメリットがあった一方、実戦車両を用いた十分な検証時間を確保できたことで、シーズン序盤最大の課題だった振動問題の改善につながったと説明した。得られたデータが対策の方向性への確信を深め、その後の開発を前進させる重要な転機となった。
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