角田裕毅 F1サンパウロGP会見「マシン理解度は85〜90%まで来ている」
レッドブル・レーシングの角田裕毅は、2025年F1サンパウロGPを前にメディアの会見に臨み、メキシコGPで発生したピットストップのトラブルやフェルスタッペンとの差、そして今季マシンへの適応について語った。

自身のパフォーマンス向上に手応えを感じつつも「まだ100%ではない」と慎重な姿勢を見せ、「今は目の前のレースに集中している」と語るなど、現状を冷静に見つめている。

また、今季終盤に差し掛かる中でライバルとの接触や批判についても言及。「僕は何も間違っていない」と落ち着いた対応を見せ、精神的にも成熟した印象を残した。昨年好成績を収めたブラジルで再び雨の可能性が高まる中、角田裕毅は「今年のマシンがどう反応するか楽しみ」と語り、挑戦への意欲をのぞかせた。

メキシコGPで12秒を要したピットストップについて、角田裕毅は原因を把握しているとした上でこう話した。

「何が起きたのかは分かっています。こういうことは時々起きるものですし、僕たちにとっても新しいケースでした。今後同じことが起きないようにするための良い学びになったと思います。シーズンを通して本当に良いピットストップばかりでしたから、今回は残念でしたが、レースの一部として受け止めています」

また、メキシコでマックス・フェルスタッペンとの差が非常に小さかったことについては、慎重な姿勢を崩さなかった。

「まだ“見つけた”という感じではないです。もちろん自信は前よりも高まっていますが、まだレースごとに理解を深めている段階です。マックスは毎回信じられないほどのパフォーマンスを引き出していますし、彼の走り方やアプローチから学ぶことが本当に多いです。メキシコでは初めて予選も決勝も両方で近い位置にいけたので、それはいいサインだと思います。これを積み重ねていきたいです」

週末の天候については、昨年に続き雨の可能性もある中、ブラジルでの好走を振り返りながらも冷静に分析した。

「去年のブラジルではいい思い出があります。ただ、今年のマシンは新しいので、ここでどう反応するかを見極めることが大事です。特にスプリント予選とスプリント本戦では、最初のセッションからマシンの挙動を理解して、すぐにパフォーマンスを引き出せるようにしたいです。全力で臨みますし、去年のように良い結果を出せる自信はあります」

ショートランの改善について問われると、角田裕毅は特別な取り組みはしていないと説明した。

「特に新しいことはしていません。ブレーキングやターンイン、コーナーでのマシンの動きなど、すべてを最大化することを意識しています。それが自信につながりますし、経験を積むごとに自然と良くなっていくと思います。今週末だからといって特別なことをする予定はありませんが、スプリント週末なので、できるだけ早くマシンに慣れることが大事だと思っています」

角田裕毅 レッドブル・レーシング

オリバー・ベアマンやエステバン・オコンからの批判について問われると、角田裕毅は笑みを浮かべて「正直、よく覚えていません」と答えた。

「オコン選手? メキシコでレースした覚えがないです。彼が僕を抜こうとしていた場面はなかったと思います。どの動きを“危険”だと思ったのか分かりません」

「オースティンの件も危険ではありませんでした。あれは彼が左に曲がっていて、僕も同じ方向に行っただけです。もちろんポジションを守っていましたけど、彼がスピンしたんです。彼の気持ちは理解しますが、僕は何も間違っていないと思っています」

「それに、僕たちはトラックリミットを守らなければいけませんし、コーナーをカットすることもできません。オースティンではいいレースをしていたので残念でしたが、もう気にしていません」

また、将来の去就が不透明な中で、フェルスタッペンのように2026年マシンの開発に関わっているかについて問われると、角田裕毅は首を振った。

「僕はマックスほどではないです。僕は今シーズン(2025年)に完全に集中しています。マックスは来年の開発に多く関わっていますが、僕の状況は全く違います。今はパフォーマンスに全力を注いでいるので、来年の開発よりも、まず今のレースに集中しています」

最後に、マシンへの理解度について問われると、角田裕毅は現状を率直に語った。

「まだ100%ではないです。このマシンに乗り換えたとき、テストは2〜3日しかなくて、できることに限界がありました。シーズンが始まってからも、このマシンで走るのが初めてのサーキットが多かったので、慣れるのは簡単ではありませんでした。そこから自信を築くのは大変でしたが、今は85〜90%くらいまで来ていると思います。少しずつ上がってきているので、これからさらに伸ばしていきたいです」

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カテゴリー: F1 / 角田裕毅 / レッドブル・レーシング / F1ブラジルGP