角田裕毅 レッドブルF1は「後任にローソンを据えるべき」と識者が提言
角田裕毅(レッドブル・レーシング)は、今季ここまで18戦で25ポイントを獲得しており、復帰初年度ながら苦戦を強いられている。一方で、レーシングブルズに降格したリアム・ローソンは同期間に30ポイントを記録し、安定した成績を残している。さらにルーキーのアイザック・ハジャーは39ポイントと速さを見せ、第15戦オランダGPで初表彰台を飾ったものの、その後は失速気味だ。

こうした状況のなか、元F1デザイナーのゲイリー・アンダーソンは「角田裕毅の後任としてハジャーを昇格させるべきではない」と主張し、「レッドブルはローソンに再びチャンスを与えるべきだ」と語っている。アンダーソンはハジャーのポテンシャルを認めつつも、「まだフェルスタッペンのチームメイトを務める段階にはない」とし、急速な昇格のリスクを警告した。

「ハジャーは純粋なスピードを見せているが、レッドブルで戦うためのステップアップは簡単ではない。チームメイトが常に完璧な週末を過ごすフェルスタッペンである以上、比較され続ける厳しさがある。彼がその準備ができているとは思えない」

「もう1年レーシングブルズで走り、ミスを減らす経験を積むことは彼にとってプラスだ。だからこそ、僕はローソンにもう一度チャンスを与えるべきだと思う。彼は2025年序盤、チームが混乱していた中で信頼を失う厳しい経験をしたが、そのプレッシャーを知っている。それは再挑戦に活かせるだろう」とアンダーソンは『The Race』に語った。

ローソンはレッドブル復帰よりもシート維持が焦点に
ただし現実的には、リアム・ローソンが争っているのはレッドブルのシートではなく、レーシングブルズ内での残留枠だ。チームは2026年にアイザック・ハジャーをレッドブルへ昇格させ、その後任としてF2で躍進中のアービッド・リンドブラッドを起用する構想を持つとされている。

つまり、レーシングブルズの残る1席をめぐって、リアム・ローソンと角田裕毅の直接対決が進行中だ。敗れた側はグリッドを離れる可能性が高い。

さらにマーティン・ブランドルも同様に、「ハジャーはまだレッドブルに昇格すべき段階ではない」との見解を示しており、ハジャーの実力を評価しつつも経験不足を指摘している。

レッドブルのヘルムート・マルコは当初、2025年メキシコGP後に2026年のドライバーラインナップを発表するとしていたが、チーム代表ローラン・メキースとともに「決定はアブダビGPまで延期する」と明らかにした。ハジャー昇格の流れは続くものの、リアム・ローソン、角田裕毅の両者にとっても最後までチャンスが残る状況だ。

角田裕毅 リアム・ローソン アイザック・ハジャー

ゲイリー・アンダーソンの主張は「熟成優先」
ゲイリー・アンダーソンの提言は単なる評価論にとどまらず、レッドブル体制全体のリスクマネジメントにも通じる。アイザック・ハジャーを急いで昇格させるよりも、リアム・ローソンを再起用して安定した経験値を持つドライバーを配置する方が、2026年の大規模レギュレーション変更期においては理にかなっているというわけだ。

「F1 OVERSTEER」の分析としても、これは“即戦力よりも継続性”を重視する現実的な見方であり、角田裕毅、リアム・ローソン、アイザック・ハジャーのいずれにとってもアブダビでの最終判断が運命を分けることになる。

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カテゴリー: F1 / 角田裕毅 / レッドブル・レーシング / リアム・ローソン