角田裕毅×三國清三シェフ「料理もF1も“我慢と正確さ”が勝負を分ける」

三國清三の新店「三國」で使用しているHexCladとの縁から、同ブランドのアンバサダーを務める角田裕毅が来店し、特別な対談とクッキングセッションが実現した。
二人は調理を通して、「我慢」「スピード」「正確さ」といった職人の共通哲学を語り合いながら、F1と料理の深い共通点を見出していった。プロの現場で培われた集中力とチームワークを語るやり取りには、異なる世界で一流を極めた者同士の共鳴があった。
包丁の握りから「我慢の哲学」まで──F1と料理の共通点
三國シェフがタラを3枚に下ろす手本を見せると、角田裕毅も「僕、結構初心者ですよ」と言いながら包丁を握る。皮をパリッと焼くコツを教わると、「まな板を切るように押して引く」と聞いて「なるほど」とうなずき、真剣な表情で手元に集中した。
焼きの工程では、三國シェフが「プロはすぐひっくり返さない。我慢できるかどうかが分かれ道」と語り、角田裕毅は「レースも同じですね。焦ると最後に崩れる」と共感。「我慢も人ですもんね」と笑顔で返し、料理とレースの哲学を重ね合わせた。
アロゼ(バターを回しかけて仕上げるフランス料理の技法)に挑戦した角田裕毅は、「うわ、めっちゃいい匂い」と感嘆。焼き上がったタラを口にすると「めちゃめちゃ美味しい」「赤ワイン飲みたくなる味ですね」と満面の笑みを見せた。
“速さと正確さ”の頂点を目指す職人たち
食事の合間では、三國シェフが自身の修業時代を語る。「僕は20歳からヨーロッパに渡って、ミシュランの三つ星でしか働いてこなかった。フランス人でもなかなかできないこと。仕事が速くて、きれいで、美味しい。この3秒ができないとトップになれない」と語ると、角田裕毅は「F1も同じで、速くてもブレたら意味がない。正確さがすべてです」と深くうなずいた。
チームで極める“一流”のものづくり
さらに角田裕毅は、「F1も料理もチームワーク。2500人の努力が1台に詰まっている」と語り、三國シェフも「料理も素材の生産者とつながることが大事」と応じた。互いの世界で“支え合い”の重要性を理解する二人の会話は、職人同士ならではの説得力に満ちていた。
一流を目指す者の覚悟と未来へのエール
終盤、角田裕毅は「ミクニシェフからアロゼを教わったんで、今度イタリアの友達にふるまいたい」と笑顔。三國シェフは「筋がいい。感がいいですよ」と太鼓判を押した。
25歳のF1ドライバーと71歳の料理人――異なる舞台で戦う二人に共通するのは、「一流を目指す者の覚悟」。
角田裕毅は「今日は本当に幸せな時間でした」と語り、三國シェフも「これからの彼にすごく期待している」と笑顔で締めくくった。
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