「とても笑顔だった」 レッドブルF1マルコが角田裕毅の背中をたたき称賛

レース後には、レッドブルF1のアドバイザーであるヘルムート・マルコが角田裕毅の背中をたたき、「とても笑顔だった」と伝えられている。沈んだ様子が続いていた近戦とは一変、はつらつと跳ね回る姿を見せた角田裕毅に、チーム内の評価も変化の兆しが出ている。
角田裕毅の奮闘とマルコの反応
アゼルバイジャンGPはマックス・フェルスタッペンがシーズン4勝目を挙げ、レッドブルにとって満足のいく週末となった。しかしチームにとってもう一つの朗報は、角田裕毅が予選6番手からスタートし、決勝でノリスを抑え切って6位を守り抜いたことだった。
ヘルムート・マルコは「角田のラップタイムはマックスとほぼ同等だった瞬間があった」と述べている。今季、何度もフェルスタッペンと比較されてきた角田にとって、大きな達成であった。
ジャーナリストのジョン・ノーブルは『The Race F1 Podcast』で、角田裕毅がモンツァ後にシミュレーターで取り組んだ作業が奏功し、マシンで「何かを発見」したと報じた。角田裕毅もローラン・メキースも詳細は明かしていないが、パフォーマンスに直結する要素が快適さをもたらしたとされる。
ノーブルは「レース後、チームのホスピタリティでマルコが彼の背中をたたき、とても笑顔だった。ローラン・メキースも大変満足していた。角田もこれまでのレースで見せた沈んだ様子や落胆とは違い、はつらつとして跳ね回るような様子だった」と述べ、チーム内での雰囲気が変わりつつあると強調した。

迫られる2026年の選択
角田裕毅は今回のパフォーマンスで評価を高めたが、将来は依然として不透明だ。アービッド・リンドブラッドが2026年にレーシングブルズへ昇格する可能性が高まっており、さらにアイザック・ハジャーがレッドブルへ引き上げられる見通しがある。そうなれば、残るシートを巡って角田裕毅とリアム・ローソンが直接競う構図となる。
ノーブルは「進歩の兆しがあり、シーズン末までにドライバーを決めたいと考えているローランにとっても、難しい選択になるだけの十分な成果だった」と指摘。角田裕毅の奮闘は確かに評価を得たものの、ローソンもまたバクーで予選3位、決勝5位という自己最高成績を収め、強烈な印象を残した。
ローソンの躍進と角田裕毅の試練
マルコは角田裕毅を喜ばしく思った一方で、ローソンの結果により強いインパクトを受けたとみられる。ニュージーランド出身のローソンは決勝で角田裕毅を抑え切り、存在感をさらに高めた。
スカイスポーツのテッド・クラヴィッツは「角田裕毅はおそらく来季レーシングブルズに戻る」と見立てる一方で、ローソンが自ら外れる立場にならないよう全力を尽くしていると指摘している。
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